研究課題/領域番号 |
22K04052
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 修平 日本大学, 生産工学部, 准教授 (40802294)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | フライホイール / エンジン / 停電保護装置 / クラッチ / 空燃比 |
研究実績の概要 |
本研究は東南アジア(インドネシアなど)などへの日本企業工場進出に向けた大きな課題の1つになっている停電対策装置として,これまで広く利用されてきたバッテリ式の弱点を克服できるフライホイールと呼ばれる回転する円盤を用いたシステムの実用化を目的とし,停電多発地域における工場の安定操業を目指している。 研究実施計画に基づき、(i-1) 燃料調整アクチュエータ製作、(i-2) アクチュエータ制御プログラム実装、(i-3) 電磁クラッチ動作時間実験検証を実施した。 (i-1) のアクチュエータは0.36度の分解能を持つステッピングモータにより燃料開度を制御できる機構を製作した。(i-2)の制御プログラムはエンジン軸に1回転あたり60パルスを発生する歯車を実装し、そのパルス幅よりエンジン回転数をディジタル信号処理装置に入力した。さらに、そのエンジン回転数に応じて前述のステッピングモータを8ビットの分解能で調整できるようにディジタル信号処理装置に実装した。(i-3)の電磁クラッチの動作時間については定格24Vの印加電圧をフォーシング(一時的に高い電圧を印加)することで励磁電流を急速に立ち上げる制御を実施した。これにより0.42秒であった動作時間(電圧印加から接続完了までの時間)を約50%減の約0.2秒に短縮できた。 一方、(i-4) 適切な空燃比制御法の実験検証については、半導体不足によりアクチュエータを駆動するドライバ納期遅延により実施できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
適切な空燃比制御法の実験検証については、半導体不足によりアクチュエータを駆動するドライバ納期遅延により実施できていない。代替品を検討して実験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、電磁クラッチでの摩擦損失エネルギや温度上昇を明らかにし,頻繁な起動停止における実用性や寿命への知見を得る。加えて熱電併給(コジェネ)やマイクログリッド需給調整等の広くエンジンに関わるアイドリングストップへの技術移転についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は研究協力者の高精度計測機器、停電模擬電源、駆動用電動発電機の利用により物品費を格段に削減できたためである。使用計画は研究計画に基づき燃料アクチュエータの駆動ドライバや電磁クラッチの精密な温度計測等に使用する予定である。
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