研究課題/領域番号 |
22K04077
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
藤田 洋司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40720222)
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研究分担者 |
河野 昭彦 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (40597689)
漆畑 広明 金沢工業大学, 電気・光・エネルギー応用研究センター, 教授 (40723367)
仁科 辰夫 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (60172673) [辞退]
花岡 良一 金沢工業大学, 電気・光・エネルギー応用研究センター, 教授 (90148148)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Lithium ion battery / Electrochemistry / Impedance |
研究実績の概要 |
高インピーダンス(φ2mm)のリチウムイオン電池(正極,コバルト酸リチウム,負極.グラファイト,電解質,6フッ化リン酸リチウム,溶媒,エチレンカーボ ネート:ジエチルカーボネート 1:1,セパレータ,セルロース)を試作し,交流パルスを印加し,電池容量,インピーダンスを評価した.さらに,バトラー フォルマ―式によりRctを可変とする多孔質電極等価回路モデルにより,細孔内電流電圧分布を計算し以下の結果を得ている. 1.100kHz 1kHz ±100の交流パルス印加時の最大電流は約1Aで23000Cに対応した. 2.交流パルス1パルス印加後,電池容量,インピーダンスに顕著な劣化は見られなかった.しかし、10kHzの場合、10回以上の印可で電池性能の劣化が顕著となることがあることがわかった。これば前年度予想された分解によるものではないかと推定される。 3.Rctにかかる電圧は1V以下と計算される。また電解液の,電極活物質への影響が微小であるため,電池性能がそれほど低下しなかったと推測された.R5年度、さらにシミュレーションにより正極と負極内にピーク値が10000Cとなる高周波電流を与えた場合の電極内の分極や電解質内のLi分布を明らかにした。 4.一方,電解液には高い電圧がかかることがわかり電解液の分解反応発生が懸念される. 5.LiBに高電圧信号が継続的に加わることにより,電解液の劣化が進み,電池性能の低下が懸念されることがより明確となったと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に得られた解析結果をすすめ、さらに電極細孔中のLiイオン濃度も含めた内容に進めて解析することができるようになったため。
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今後の研究の推進方策 |
交流パルスを印可実験を進め、周波数、印可回数、電池性能への影響の関係をまとめるとともに、電極反応シミュレーションも援用しながらその影響が現れる要因を抽出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
電池部材の購入費用を予定していたが、今年度、予想よりも電極使用料が少なかったために、次年度使用額が発生した。フラットセルタイプに加え、作成が容易なコインセルも研究に用いることができることがわかり、コインセル用の部材購入に支出予定である。
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