研究課題/領域番号 |
22K04082
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
八尾 惇 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (70779074)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高速スイッチング / インバータ / 鉄損 / 磁性材料 / モーター |
研究実績の概要 |
本研究では、高速スイッチング動作可能なインバータ (直流交流変換回路)駆動時の低損失モータ研究を行う。ここでは、高速スイッチング動作可能なインバータ駆動時のモータシステムの高効率化の原理検証を行う。本年度、主に、下記の3点の成果を得た。 (1)本年度、高速スイッチング動作実現のための検討を行った。SiCパワーMOSFET (Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)とそのSiC CMOS (Complementary MOS)ゲートドライバをフリップチップボンディングを使用し3次元直接接合したSiC 3DパワーICを開発し、そのスイッチング動作を実現した。開発したSiC 3DパワーICのスイッチング時間は、従来のワイヤーボンディングを用い接続した場合と比較し、スイッチング時間が10%以上短縮されることを明らかとした (令和5年電気学会全国大会発表、The 35th International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs (ISPSD2023) 採択決定(オーラル発表予定)) 。 (2)本年度、高速スイッチング動作時のノイズ低減のための検討を行った。還流ダイオードがターンオンする直前に dv/dt を低減するアクティブゲート制御を適用し、高速スイッチングとサージ電圧の低減を両立可能であることを確認した (令和5年電気学会全国大会発表)。 (3)本年度、高速インバータ駆動時の過渡特性を考慮した磁性材料の特性評価のために、スイッチング動作時の過渡特性の検討を行った。検討した数値計算手法により、実験結果を表現できることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高速スイッチング動作可能なインバータ (直流交流変換回路)駆動時の低損失モータシステムの実現を目指し、主に、以下の3つの検討を行った。 (1)高速スイッチング動作可能なSiC 3DパワーICの開発、(2)高速スイッチング動作時のノイズ低減技術の開発、(3)スイッチング動作時の過渡特性の検討、の3点である。 特に、高速スイッチング動作のために、世界初のSiC 3DパワーICを開発し、パワー半導体分野で最も権威あるThe International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICsのオーラル発表に採択された。 この結果は、当初の計画以上に進展している結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
(a)高速インバータ駆動時の過渡特性を考慮した磁性材料の特性評価、(b)高速インバータ駆動時の磁気特性の複合評価、(c)磁気特性に基づく高速インバータ駆動時の低鉄損モータシステムの設計指針検討、の3点を目的とし、高速スイッチング動作可能なインバータ駆動時のモータシステム研究に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響で、海外渡航が厳しい状況であったので、次年度に、国際会議の参加、発表を行うことを検討したため。
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