研究課題/領域番号 |
22K04083
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石居 正典 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (50356432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 電磁波可視化 / 電磁界測定 / 磁界センサ / 低周波 / セシウム原子 / 二次元化 / 偏波分離化 |
研究実績の概要 |
本研究では、アンテナや電磁界センサ等は用いず、特定の気体原子、レーザー光、電磁波の3者の間において、近赤外線領域で存在する蛍光作用を利用する新しいコンセプトの次世代型の電磁波可視化技術に関する研究を実施している。これまで既に申請者が実施した先行研究では、まずホーンアンテナから放射されるGHz帯の特定の電磁波に対して提案手法が実現可能である事を確認している。さらには、ターゲットとなる電磁波の低周波側への周波数範囲の拡張を目指し、kHzからMHzの周波数帯の電磁波に対する電磁波可視化手法を新たに提案し、その提案手法が実現可能である事も確認してきた。 しかし、レーザーには数mm~1 cm程度の幅のビーム状の物を使用するため、可視化の範囲がこのレーザー光線上の一次元の軸方向とレーザーのビーム幅の範囲内に限定されていた。そこで、レンズを用いたレーザーのビーム幅の拡張やミラーシステムを用いたレーザービームの高速な走査などにより、提案する低周波帯の電磁波の可視化技術の二次元化に関する検討も実施してきた。 一方、電磁波には偏波成分が存在する。そこで当該年度は、被観測電磁波の偏波成分の分離化に関する初期検討を実施した。具体的には、地磁気の消磁と外部直流磁界の印加が可能なシステムを構築し、この外部直流磁界の印加の向きによって、提案する技術で可視化される低周波帯の電磁波の観測結果が変化する事を確認した。なお、電磁波には電界と磁界の両成分があるが、ここでは磁界成分を対象とし、また原子としては133Cs(セシウム原子)の気体を用いている。 また今年度は、本研究課題の研究成果に関連した、国内学会での発表を1件、所内での外部向け研究成果発表を1件を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、提案する電磁波可視化技術の二次元化と偏波分離化の2つのポイントに関する研究を実施しているが、2年目に当たる当該年度には、2つ目のポイントである偏波分離化のための実験システムを新たに構築して、初期検証まで実施する事ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは、提案手法の実現可能性に関する検証に重きを置いてきた。そこで次年度は、間接的に使用する約9.2 GHzの電磁波の偏波方向、観測対象となる低周波帯の電磁波の偏波方向、外部DC磁界の印加方向の3者間の関係の再整理の他、定量的な評価の検討も実施する予定である。 なお、次年度も本研究課題の研究成果の発信を、学会などにおいて行う事を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 予算を有効活用するために、可能な物については、できるだけ直接部材を調達して自ら試作を行う方式に切り換えたためである。また、部材の調達に際しても、見積もり競争を行った結果、予定よりも安価に調達できる案件も多かった。さらには、研究所内において借り受けたり、または、譲り受けた設備等もあったためである。 (使用計画) 前年度に入手や試作した設備でも、さらに追加、改良や仕様変更などが必要である箇所もある。これらの追加、変更、改良による試作及び設計の他、学会参加などでの本研究の成果の発表や関連研究の調査のための旅費にも使用する計画である。
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