研究課題/領域番号 |
22K04093
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
平野 拓一 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (60345361)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ミリ波 / テラヘルツ波 / 5G / アンテナ / 複素誘電率 / テラヘルツ時間領域分光測定 / ボンディングワイヤ |
研究実績の概要 |
2022年度はイオン照射シリコン(Si)基板の電磁界シミュレーションモデルを確立するための計測技術の研究に取り組んだ。シミュレーションを行う際には、Si基板の複素誘電率を入力する必要があるが、ミリ波・テラヘルツ帯において正確な複素誘電率を測定することが困難である。そこで、テラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)測定により、Si基板の複素誘電率の測定を行った。THz-TDSでは平板状の被測定基板を挿入したときとしないときの透過パルス波形の差から複素誘電率を測定する。薄い被測定基板では表面での多重反射が透過波に与える影響を除去する必要がある。無限反射の影響を除去するアルゴリズムを提案し、後処理を行った。有限回の反射しか考慮しない場合に比べて、滑らかな周波数特性が得られ、有効性も確認できた。Si基板以外にも、ミリ波・テラヘルツ帯で使用する可能性のある基板材料の複素誘電率評価も行った。 また、基板正面方向への放射を目的とするダイポールアンテナの検討を進めてきたが、用途によっては基板横方向に放射する必要もあるため、基板横方向に放射するプリント八木・宇田型アンテナの検討をすすめた。 さらに、チップ実装の検討としてボンディングワイヤ接続の周波数特性を検討し、通常の方法では20GHz以上での使用は困難であることを確認した。現在、フリップチップ実装の特性のシミュレーションを進め、ボンディングワイヤよりも高周波のミリ波帯で使用できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複素誘電率測定のためのテラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)測定および無限多重反射の影響を除去するための後処理は成功し、今年度の進捗はほぼ順調である。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画どおり、次年度はアンテナを含む無線回路(インダクタ、キャパシタ、FET、線路等)の電磁界シミュレーション技術を確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Si基板誘電率の測定方法について調査を行う予定であったが、年度内での出張先との日程調整ができなかった。次年度は日程調査を行い、ミリ波帯での誘電率測定について調査を行うために出張する。
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