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2023 年度 実施状況報告書

次世代ミリ波センサ用傾斜機能薄型誘電体レンズの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04097
研究機関秋田工業高等専門学校

研究代表者

伊藤 桂一  秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20290702)

研究分担者 佐々木 友之  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (90553090)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードミリ波アンテナ / 誘電体レンズ / トポロジー最適化 / FDTD法
研究実績の概要

波長より小さい小型誘電体レンズに着目し,立体的な厚みが出る構造になることが多い誘電体レンズを,高誘電率材料を用いて波長短縮効果により薄型化することを提案した。解析による検証により,ミリ波帯において小型かつ薄型誘電体レンズでも利得が改善することを確認した。
一方,高誘電率材料を用いた試作が困難であることから入手可能な材料による薄型レンズの設計を試みた。3Dプリンタのフィラメント材であるPLA(ポリ乳酸)を用い,トポロジー最適化を用いた設計を行った。試作可能な滑らかな構造を得るために本研究では関数近似器として複数のガウス基底を組み合わせたNGnet(正規化ガウス関数ネットワーク)を用いた。
本研究ではFDTD法(時間領域差分法)を用いてモデリングおよび計算を行った。FDTDセル単位で媒質の設定を行うこととし,NGnetが正の領域にあるセルは誘電体,負の領域にあるセルは空気となるように設定する。誘電体レンズを装荷するアンテナとしてミリ波導波管スロットアンテナを用い,計算負荷を少なくするように縮小した解析モデルを用いた。スロット数は1個とし,その開口面に誘電レンズの設計領域を設定する。アンテナへの入射波は76 GHzのCW波とし,導波管終端にはPMLを挿入して無反射終端とした。
計算結果より,従来の半球構造よりも薄いレンズにより同等以上の収束効果を得ることができることが分かった。レンズ設計領域とアンテナの放射源の間に隙間を設けることが必要であり,アンテナとレンズの整合層の適切な厚さを導き出すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた高誘電率材料による試作は困難であるが,3Dプリンタを用いた従来材料でも薄型レンズの開発が可能であることを示すことができたため,おおむね予定通り研究は進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

薄型レンズの試作と測定が今後の課題である。薄型レンズの試作方法では3Dプリンタによる試作を行う。3Dプリンタフィラメントでは整合層として傾斜機能材料を実現することは実質的に難しいため,空気層の厚さによって制御する。波面の位相を直接測定し,レンズによる波面制御の効果について定量的に評価できるようにする。

次年度使用額が生じた理由

物価高騰により購入を予定していたガン発振器が購入できなかったため,次年度分の予算を含めて購入することを検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Topology Optimization of Thin Lens for Millimeter Wave Antenna Using High Dielectric Constant Material2023

    • 著者名/発表者名
      Keiichi Itoh, Shun Togase, Junya Satoh, Hideaki Matsuda, Eiko Sugawara, Masaki Tanaka, Hajime Igarashi
    • 学会等名
      24th International Conference on the Computation of Electromagnetic Fields (Compumag2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] NGnetを用いたミリ波アンテナ用誘電体レンズのトポロジー最適化2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤桂一,田村祐太,田中将樹,五十嵐一
    • 学会等名
      第32回MAGDAコンファレンス in金沢(MAGDA2023)~電磁現象及び電磁力に関するコンファレンス~

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公開日: 2024-12-25  

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