研究課題/領域番号 |
22K04113
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研究機関 | 横浜商科大学 |
研究代表者 |
松嶋 智子 横浜商科大学, 商学部, 教授 (30648902)
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研究分担者 |
田中 宏和 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (40551388)
山嵜 彰一郎 広島市立大学, 情報科学研究科, 客員研究員 (60648963)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 光無線通信 / 符号分割多元接続 / 可視光通信 / 拡散符号 / 干渉除去 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,空間や海中において複数の中継ノードを使用して見通し外や長距離の伝送を行う光無線中継伝送方式の提案および評価を行う.このような条件下では,太陽光などの背景光とともに他ノードからの干渉光を除去する必要がある.本研究のポイントは,光符号分割多元接続(光CDMA)技術を用いて背景光と干渉光を同時に除去し,光無線通信の性能を向上させることである. 一般化拡張プライム系列符号(GMPSC)とその部分符号であるチップペア符号は研究代表者らにより提案された拡散符号で,これらの符号を用いた光CDMA方式は背景光と干渉光の両方を同時に除去する特性を有している.これまでにこれらの拡散符号を用いる光CDMA方式の基本検討を終え,2023年度は主にシミュレーションによる方式評価と研究成果の発表を行う計画であった.研究統括等を担当する研究代表者は病気療養のため研究を進めることが困難であったが,シミュレーションによる方式評価等を担当する研究分担者らは概ね計画通りに研究を進めることができた.その結果,全体としては研究の進捗状況にやや遅れが生じたが,一定の研究成果を得ることができた.なお,遅れた部分については2024年度中に完了する見込みである. 2023年度の研究成果として,IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciencesに論文1件(査読有)が掲載され,国内研究会(電子情報通信学会MICT研究会,電子情報通信学会RCS研究会,情報理論とその応用シンポジウム)で口頭発表3件を行った.また,IEEE Accessに論文1件(査読有),電子情報通信学会論文誌Bにレター1件(査読有)を投稿し,2024年度中に掲載されることが決定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は,これまでに検討してきた光CDMA方式や拡散符号の詳細な評価と研究成果の発表等を行う計画であった.方式評価等を担当する研究分担者らは概ね計画通りに研究を進めることができたが,研究統括等を担当する研究代表者が病気療養のため研究を進めることが困難な状況であったため,実施予定だった計画の一部を行うことができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,2023年度にやり残した研究項目を実施するとともに,具体的な光無線中継伝送システムの構成方法について検討し,定性的および定量的な評価を行う予定である.また,GMPSCやチップペア符号を用いた光CDMA方式の新たな応用分野についても検討し,得られた研究成果を積極的に発表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
調査や研究発表のために参加した学会の一部がオンライン実施であったため旅費に残額が生じたこと,また研究代表者の病気療養により研究遂行に遅れが生じたことから,次年度使用額が生じた.この金額は2024年度に繰り越し,方式評価に用いる機器の購入や学会参加旅費等に使用し,研究の効率的な推進のために有効に利用する予定である.
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