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2022 年度 実施状況報告書

無線リソースの高効率利用を実現する通信・集約処理統合データ収集に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04114
研究機関関西大学

研究代表者

四方 博之  関西大学, システム理工学部, 教授 (00510124)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード無線センサネットワーク / ウェイクアップ無線 / 通信・計算統合処理 / 省電力化
研究実績の概要

本研究課題では、通信と集約処理を統合し、真に必要とされるデータ伝送のみに無線リソース(周波数・エネルギー)を消費するデータ収集技術を確立することを目的としている。本年度は、集約に時間的制限がある環境でデータ収集ノードで必要とされるデータのみを収集するコンテンツ指向ウェイクアップ制御および通信・集約統合手法の一つであるAirCompを用いる環境で必要とされるデータのみを集約可能な方式の提案・評価を行った。
コンテンツ指向ウェイクアップ制御に関する検討では、まず、集約時間制限(デッドライン)が設けられた場合のウェイクアップクエリタイミング最適化に関して検討を行った。デッドライン時刻にデータ収集ノードが保持する所望センシングデータ集合と真のデータ集合の誤差を最小化するクエリタイミングを導出した。この最適タイミングは、各センシングデータの統計情報である変動確率に依存するため、変動確率推定誤差の影響を考慮した評価を行った。その結果、コンテンツ指向ウェイクアップ制御を用いることで、ラウンドロビンスケジューリング方式よりも高精度・省電力なデータ集約を実現できることを示した。
AirCompに関する検討では、各センサノードが、それぞれのセンシングデータに、ある一定閾値以上の変動があった場合のみ送信を行う事で省電力化を実現する差分AirCompの提案を行った。提案方式に関して、シミュレーション評価を行い、提案方式が少ない集約精度劣化で不要なセンサノードの送信を抑制できることを示した。これにより周波数利用効率・エネルギー使用効率の両観点で効率的な伝送ができる可能性を確認した。さらに差分AirCompの送信・受信パラメータがデータ集約精度に与える影響について基礎評価を行った。また、中継を活用したAirCompのノードスケジューリング方式の提案・評価を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画は観測値の統計情報推定とそのウェイクアップ制御への応用法、効果を明確にすることであった。ウェイクアップクエリの最適送信タイミングを決定するために各センサの観測値の統計情報である変動確率を活用する方式を提案することで、その目的をほぼ達成できたと言える。また、AirCompの省電力化法については、1年前倒しで基礎検討を行う事ができた。さらに中継を用いたAirCompのノードスケジューリングについても検討を実施できた。これらより、現在までおおむね順調に研究が進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

今後は、観測値の統計情報推定とそのウェイクアップ制御への応用法の詳細検討として、集約に時間的制限がある環境でデータ収集ノードが必要とするデータのみを収集するコンテンツ指向ウェイクアップ制御において、センサが自律的に観測値変動確率を推定し、それを基に自身の起動・送信タイミングを制御する方式について検討する予定である。また、AirCompの省電力化法については、全てのセンサノードではなく、未知のノード集合がAirCompを実行する場合の送信・受信最適パラメータ設定方法に関する検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度予定していた国際会議発表を、適切な発表先の選定と投稿に向けた検討詳細化のために次年度に行うこととした。これが次年度使用額が発生した主な利用である。本使用額については次年度に国際会議発表に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] オールボー大学(デンマーク)

    • 国名
      デンマーク
    • 外国機関名
      オールボー大学
  • [雑誌論文] Query Timing Analysis for Content-based Wake-up Realizing Informative IoT Data Collection2023

    • 著者名/発表者名
      Junya Shiraishi, Anders E. Kalor, Federico Chiariotti, Israel Leyva-Mayorga, Petar Popovski and Hiroyuki Yomo
    • 雑誌名

      IEEE Wireless Communications Letters

      巻: 12 ページ: 327-331

    • DOI

      10.1109/LWC.2022.3225333

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Node Scheduling for AF-based Over-the-Air Computation2022

    • 著者名/発表者名
      Suhua Tang, Hiroyuki Yomo, Chao Zhang and Sadao Obana
    • 雑誌名

      IEEE Wireless Communications Letters

      巻: 11 ページ: 1945-1949

    • DOI

      10.1109/LWC.2022.3189010

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 無線センサネットワークにおけるクエリ時間での情報鮮度を考慮したコンテンツベースウェイクアップ制御2022

    • 著者名/発表者名
      白石順哉,Anders Ellersgaard Kalor,Federico Chiariotti,Israel Leyva-Mayorga,Petar Popovski,四方博之
    • 学会等名
      電子情報通信学会 センサネットワークとモバイルインテリジェンス研究会
  • [学会発表] 差分データ送信制御を用いた省電力空中計算方式に関する一検討2022

    • 著者名/発表者名
      福田剛,三好誠司,四方博之
    • 学会等名
      電子情報通信学会 センサネットワークとモバイルインテリジェンス研究会

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公開日: 2023-12-25  

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