研究課題/領域番号 |
22K04141
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
丸 浩一 香川大学, 創造工学部, 教授 (00530164)
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研究分担者 |
中津原 克己 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (70339894)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 計測工学 / 計測機器 / 速度計測 / レーザドップラー速度計 |
研究実績の概要 |
光空間エンコード化のコンセプトを発展させた,速度分布の同時計測が可能な新たな3次元空間速度分布計測方法を確立するための技術開発として,研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発を実施した.また,マイクロ流路等の微小領域の速度分布を計測可能な集積型デバイスへ展開するための技術開発として,研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発を実施した. 研究課題①としては,波長エンコード化手法の開発として,4波長の出力光をアレイ導波路回折格子を用いた波長合分波器で合波した波長多重光を用いた実験光学系による検討を行った.原理検証のため,受光用アバランシェフォトダイオードの手前に波長選択用薄膜フィルタを取り付けた実験を実施した結果,選択された波長に対応する測定点のみの速度識別が可能であることを確認した.また,3次元光空間エンコード化手法の開発として,4×4チャネルの2次元周波数バイアスエンコード化と4波長の波長エンコード化を組み合わせた光学系の設計を実施するとともに,実験系の構築に着手した. 研究課題②としては,3次元速度分布計測用デバイス光回路に用いるエレメント設計として,Nb2O5系導波路を用いたグレーティングカプラの高効率化のための設計を実施した.シミュレーションの結果,Nb2O5/SiO2多層膜の利用により,使用する波長範囲および入出射角度範囲において受光用グレーティングカプラと出射用グレーティングカプラともに入出射効率を改善できる見込みを得た.また,Nb2O5/SiO2多層膜上へのグレーティングカプラ形成のための基礎検討を行うとともに,Nb2O5コアの試作条件検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発では,3次元空間エンコード化のための基盤技術となる波長エンコード化手法の効果を確認した.また,3次元同時計測のための光学系の設計を行うとともに実験系の構築に着手した. 研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発としては,3次元速度分布計測用デバイスに用いるためのグレーティングカプラの高効率化の見通しを得た.また,素子試作のための条件検討を開始した. これらのことから,本研究が順調に進展しているものと判断する.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に引き続き,研究課題①3次元空間内の速度分布を同時計測するための光空間エンコード化技術の開発,研究課題②微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発を行う. 研究課題①では,周波数バイアスエンコード化と波長エンコード化の組み合わせによる3次元空間エンコード化を適用した実験系により,3次元同時計測の原理検証を行う. 研究課題②では,Nb2O5系集積型デバイスのエレメント設計として,受光用グレーティングカプラおよび出射用グレーティングカプラの更なる高効率化を検討するとともに,分波・プローブ部の光回路設計を行う.また,グレーティングカプラ試作のための検討を引き続き行う.
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