研究課題/領域番号 |
22K04183
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
原田 幸弘 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10554355)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 局在表面プラズモン共鳴 / InAs/GaAs量子ドット / ホットキャリア / 太陽電池 / 量子ドット超格子 |
研究実績の概要 |
本研究では、InAs/GaAs量子ドット超格子を内包する太陽電池において、局在表面プラズモン共鳴を利用した高効率なホットキャリア電流取り出しを実現し、単接合型太陽電池の変換効率限界を突破する、ホットキャリア型太陽電池の学理構築と高効率化技術の開発を目的とする。2022年度は、屈折率の電子の擬Fermi準位依存性を考慮して、InAs/GaAs量子ドットにおける在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果に関する研究を遂行した。具体的な研究成果は以下の通りである。 ○電子の擬Fermi準位の上昇に伴って、InAs/GaAs量子ドットにおける光電場増強の共鳴波長が近・中赤外波長域において短波長側へシフトすることを、有限要素法をベースとした光電磁場解析によって明らかにした。また、同一の電子の擬Fermi準位において、半楕円体状InAs/GaAs量子ドットでは同体積の球状InAs/GaAs量子ドットよりも長波長側で局在表面プラズモン共鳴が発現することを明らかにした。 ○半楕円体状InAs/GaAs量子ドットでは、対称性の低下によって複数の波長において局在表面プラズモン共鳴が発現することを明らかにした。局在表面プラズモン共鳴の共鳴波長を太陽光に含まれる波長域に制御することによってバンド内遷移による光吸収量を増大させることが可能となるため、Stranski-Krastanov成長モードによって作製されるInAs/GaAs量子ドットは、球状量子ドットよりも幅広い波長域で電場増強効果を利用できると期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単接合型太陽電池の変換効率限界を突破するホットキャリア型太陽電池の実現に向けて、InAs/GaAs量子ドットにおける局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果の電子の擬Fermi準位依存性を解明した。量子ドットにおけるバンド内遷移はホットキャリア型太陽電池の変換効率を向上させるため、局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果を利用することによって、単接合型太陽電池の変換効率限界を突破するホットキャリア型太陽電池の実現が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
単接合型太陽電池の変換効率限界を突破するホットキャリア型太陽電池の実現に向けて、2023年度は、局在表面プラズモン共鳴による光電場増強効果を考慮したInAs/GaAs量子ドット超格子太陽電池の理論変換効率を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度の旅費が当初予定よりも高額となることが見込まれるため、2023年度の物品費を確保するために次年度使用額が生じた。
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