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2023 年度 実施状況報告書

液滴を用いたウエットプロセスによる電子デバイス材料の加工研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04225
研究機関愛知工業大学

研究代表者

田中 浩  愛知工業大学, 工学部, 教授 (60609957)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード液滴 / ウエットエッチング / グリーンプロセス / マイクロピラミッド
研究実績の概要

本年度は,特に,低濃度液滴のアルカリ濃度依存性を調査し,特にKOH濃度の数%の変化によるシリコン(100)面の液滴エッチング加工特性への影響度を把握することに努めた.本研究では,開始液として環境にやさしい数%のアルカリ水溶液を用い,その低濃度液を蒸発させ,高濃度化してエッチングを行うことが大きな特徴であるが,微量な濃度差や微量な液量差により.エッチング加工特性が大きく変わってしまうことが昨年度の研究で明らかとなった.すなわち,エッチング加工の安定性,制御性を保つことができる,液滴エッチングのプロセスウインドウを掴むことも重要な視点であるとして研究を進めた.
今年度は昨年度実施した5wt%KOH水溶液に加え,1wt%KOH水溶液を用いた時の液滴エッチング加工特性を把握した.その結果,5wt%KOH水溶液では,2μm/min程度のエッチング速度が得られたが,1wt%KOH水溶液を用いた場合は,エッチング時の温度に対するエッチング速度の向上度合いが小さくなる現象が見出された.また,液滴を100℃程度の高温にしても,マイクロピラミッドと呼ばれる凹凸がエッチング表面に発生しまうことがわかった.これは,1wt%以下の極低濃度のアルカリ液滴では,局所加熱して水分を蒸発させても,所望の高濃度状態まで到達させることができないためと考えられた.現在,高速度カメラを用いた液滴状況の把握,そして各条件での液滴濃度の把握を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

低濃度アルカリ液滴を用いた液滴エッチング加工特性を,1wt%KOH水溶液および5wt%KOH水溶液において,詳細に把握できた.数%レベルの濃度変化でエッチング加工特性が大きく変わることがわかったが,逆にエッチング加工を十分に行えるプロセスのウィンドウを捕まえられるようになったと考える.今年度から,高速度カメラによる観察を開始し,液滴の挙動を定量的に解析中である.

今後の研究の推進方策

今年度は,アルカリ液滴濃度が数%変化するだけで,エッチング加工特性が大きく変化した原因を,エッチング時の液滴観察を中心に評価解析を進め,解明を進める.さらに,次世代デバイス材料のSiC,GaNなどの液滴エッチング特性を明らかにする.加えて,液滴エッチング方式の主たるエッチングパラメータのプロセスウインドウから,安定したエッチングが行える方式の指針を明確にする.

次年度使用額が生じた理由

ウェハ試作の予定を2回から1回に変更したこと,およびウェハ材料の高騰に伴い,次年度の購入検討に変更したことがあげられる.次年度は早期に材料を確保し,SiC,GaN基板での加工特性を把握する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 低濃度液滴を用いたシリコンアルカリ異方性ウエットエッチング方法 ―1%と5%KOH水溶液による加工特性―2023

    • 著者名/発表者名
      河原 宏紀,田中 浩
    • 学会等名
      日本機械学会第14回マイクロナノシンポジウム
  • [図書] 先端半導体製造プロセスの 最新動向と微細化技術2023

    • 著者名/発表者名
      田中 浩(第6章第1節分担執筆)
    • 総ページ数
      630
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      978-4-86104-982-8

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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