研究課題/領域番号 |
22K04297
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研究機関 | 公益財団法人名古屋産業科学研究所 |
研究代表者 |
宇佐美 勉 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (50021796)
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研究分担者 |
葛 漢彬 名城大学, 理工学部, 教授 (90262873)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 2方向初期横荷重 / 2軸曲げ変形 / ブレース材 |
研究実績の概要 |
ブレース材の正負交番の繰り返し軸荷重下での応答値を正確に解析できる手法として、初期横荷重法(ILLM)が提案されており、解の安定性、正確性、有用性の見地からより優れていることが種々の適用例によって実証されているが、立体構造物を対象とした研究は、研究代表者らが調べた限りない。そこで、今年度は、2 軸曲げ挙動解析のための2方向初期横荷重の策定を行い、既存の1方向初期横荷重との比較を行った。 具体的には、まず、初期たわみ法を用いて解析を行い、初期たわみを与える角度と圧縮耐力Nu,IDMとの関係を明らかにした。次に、2方向初期横荷重qy,qzを仮定して解析行い、初期横荷重のそれぞれの大きさと圧縮耐力Nu、ILLMとの関係を明らかにした。そして、上記で得た結果を用いて、2方向初期横荷重qy,qzの算定式を作成した.最後に、作成した算定式を用いて解析を行い,既往の1方向初期横荷重法との比較を荷重-変位曲線を用いて行った. その結果、箱形断面およびCT形断面のブレース材における2方向初期横荷重の算定式を作成し、ブレース材の設計基準の高度化へ寄与することができたと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブレース材における2方向初期横荷重の算定式を作成できた。その成果は、2024年9月の土木学会全国大会へ投稿済みで、発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は、2本のブレース材を対になるように配置した「複合ブレースシステム」を対象に、2年目の成果を適用して2方向の初期横荷重を与えたときの挙動を明らかにし、1年目で行った1方向の場合の結果と比較する。また、ひずみ照査法の拡張についても検討を展開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
鋼材価額の高騰で予定していた実験用試験体の製作が困難になったため
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