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2022 年度 実施状況報告書

動的ネットワークマーカー法による孤立の未病状態の把握と公共交通の孤立解消の分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K04350
研究機関富山大学

研究代表者

猪井 博登  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (70403144)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード社会的孤立 / サイバーフィジカルシステム / 公共交通 / 効果評価
研究実績の概要

本研究における研究課題の核心をなす学術的「問い」は,「公共交通の利用で孤立が解消されるか」を定量的に明らかにするである。サイバーフィジカルシステム(CPS)を適用し,生体データ,生活データを収集し,これと既存の孤立指標の間の関係性を明らかにし,孤立の度合いを即時的に表現する指標を構築することが本研究の目的である。この研究目的に対して,当該年度は,孤立の計測方法に関する検討,孤立の計測に使用するCPSの選定,公共交通の利用が孤立の深刻化を解消するかについての検証を行った。
孤立の計測方法に関する検討については,既往文献のレビューを行い,孤立度の主な計測方法として,会話量による評価,調査票法による評価などがあることを整理した。さらに,CPSとして計測が容易かつ社会的孤立度に影響していると考えられる歩き方(歩様)による計測を行うこととした。また,後述するアンケート調査を使用し,調査票法による孤立の計測を方法を確立した。
孤立の計測に使用するCPSでは,ウェアラブル端末を想定し,その選定を行った。孤立の計測方法に関する検討で整理した会話量に着目し,会話量が計測できるウェアラブル端末を取得し,計測値の感度の検討を行った。さらに,歩様の計測方法に関するウェアラブル端末の選定を行った。
公共交通の利用が孤立の深刻化を解消するかについての検証については,アンケート調査を行い,検証を行った。公共交通の利用については,現在の利用状況に加え,過去の積み重ねが現在に影響するという仮説を設定し,ライフステージごとに区分した交通利用履歴を調査した。その結果,社会的孤立は比較的若い世代での交通手段利用履歴や日常的な公共交通の利用頻度や利用目的と関係性があることが分かり,公共交通が社会的孤立の深刻化が解消できる可能性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初研究計画では、本年度よりウェアラブル端末による計測を行う予定であったが、今後の計測が効率的に行えるように孤立の計測方法に関する検討を行うこととした。その結果、当初計画よりウェアラブル端末でより計測しやすい歩き方(歩様)の計測を行うことを決定できたため、順調に進展していると判断した。
加えて、公共交通の利用が社会的孤立の解消や軽減に有効に寄与するのかが不明確であった。アンケート調査を用いて検証の結果、公共交通を利用の有無が社会的孤立の度合いに有効な影響を与えることが分かり、本研究の設定した仮説の検討が行えた。さらに、ウェアラブル端末では、多くの属性の被験者からデータを取ることは難しいが、アンケート調査法を適用したことにより、多くの属性の回答者からのデータを得ることができ、今後の研究成果の解釈に重要な知見を得ることができた。このような成果を得ることができたため、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度検討した「孤立の計測方法」をもとにウェアラブル端末でデータを収集し、社会的孤立度の計測を行う。
ウェアラブル端末では、当初予定していた心拍変動をもとにしたストレスの計測に加え、歩き方(歩様)を計測する。歩き方(歩様)について特に着目し、3軸加速度計による計測を行う予定である。加えて、会話量計なども併用して、社会的孤立度の把握を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 社会的孤立の深刻化と公共交通の利用履歴の関係性の把握2023

    • 著者名/発表者名
      小池 晃輔,猪井 博登
    • 学会等名
      令和4年度土木学会中部支部研究発表会

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公開日: 2023-12-25  

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