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2023 年度 実施状況報告書

騒音苦情リスク回避のための心理状況によるうるささの閾値変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04443
研究機関長野工業高等専門学校

研究代表者

西川 嘉雄  長野工業高等専門学校, 都市デザイン系, 教授 (20513807)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード騒音 / うるささ / 閾値の変化 / 心理状況 / 感情分析 / ウェアラブル端末 / 室内吸音 / 空間のアスペクト比
研究実績の概要

本研究では「個人のうるささの尺度構成方法の提案」と「心理状況によるうるささの閾値変化を定量的に表す」ことを目的として、以下の三項目を実施している。
「Ⅰ悩まされそうな音の収音とデータベースの構築」以前実施した『市民を対象とした音環境に関するアンケート調査』の内容を再検討し、悩まされる音の再考察を行った。最も多かったのは工場・作業所からの音であり、新幹線・飛行機・宣伝カー・鉄道・ペットの鳴き声・子供を叱る声の順番であった。これらの音のデータを建築学会「建築と環境のサウンドライブラリ」から抽出し騒音レベルとともに整理した。
「Ⅱ擬似騒音体験システムによる個人のうるささの尺度構成の検討」ヘッドホン再生時の騒音レベルを適切に求める補正値を騒音計とダミーヘッドマイクロホンの音圧レベルから求めた。昨年度購入した小野測器DS5000を用い、音源再生音の分析を実施した。ヘッドホンアンプのチャンネル毎の周波数特性とヘッドホンの個体毎の周波数特性に差が確認された。すべての条件で測定を行い新たに補正値を決定した。また、音源の室内での吸音性による音の変化を取り入れるため、会議室や教室で吸音付加による残響時間の変化の基礎データの収集を行った。さらに、建築設計資料集成の教育施設の図面から室空間のアスペクト比の検討も実施した。
「Ⅲ心理状況によるうるささの閾値変化の検討」Ⅰのデータベースの音源を用いて調整法によるうるささの閾値の実験を行った。音源信号・入力信号・ダミーヘッドマイクロホン出力信号の6chを実時間分析で記録しながら、調整法によるうるささの閾値の測定を行った。心理状況の好意的や嫌悪感を数値化するため、感情分析としてウェアラブル端末(脳波、心拍数・発汗・心電など)での検討を新たな研究項目として開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「Ⅰ悩まされそうな音の収音とデータベースの構築」の音源のデータベース化はできている。追加のデータ収集としてダミーヘッドマイクロホンによる音源録音が予定より進んでいない。
「Ⅱ擬似騒音体験システムによる個人のうるささの尺度構成の検討」は、ヘッドホンアンプのチャンネル毎の差やヘッドホンの個体差の確認に時間がかかり、やや遅れた状態となった。
「Ⅲ心理状況によるうるささの閾値変化の検討」は、調整法によるうるささの閾値の確認方法は、被験者5名で実施した。好意的や嫌悪感の心理状況を感情分析で数値化する研究項目を新たに追加し、ウェアラブル端末を用いた測定の検討を始めた。感情分析の方法の目途が立ったところで被験者を使った実験を行うことにしたため、やや遅れの状況となった。

今後の研究の推進方策

「Ⅰ悩まされそうな音の収音とデータベースの構築」ダミーヘッドマイクロホンによる計測と騒音レベルの整理を行いデータベースの構築を行う。
「Ⅱ擬似騒音体験システムによる個人のうるささの尺度構成の検討」主観評価実験の方法の検討は終了しているので、うるささの尺度構成の検討を行い測定精度を上げる。伝搬減衰として、吸音と距離減衰の考慮を行う。
「Ⅲ心理状況によるうるささの閾値変化の検討」ウェアラブル端末による脳波・心拍数などからの感情状況の検討を前半で済ませ、後半主観評価実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

主観評価実験の実施人数を抑えたため被験者謝金の未使用であった。今後実験を行うときに支払う予定である。
感情計測のウェアラブル端末の選定が遅れたため次年度購入するために残した。次年度購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 教育施設の室の規模等と吸音付加による残響時間変化の一考察2024

    • 著者名/発表者名
      西川嘉雄
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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