研究課題/領域番号 |
22K04451
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
窪田 亜矢 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (30323520)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 空き地 / 原発事故被災地域 / 自然的実践 / 都市化 / 非都市 |
研究実績の概要 |
都市計画の現状を、問題点から把握することを試みた。まず社会問題となっている空き地について、活用の方策が、都市レベルから敷地レベルまで様々に用意されたものの、有効に機能していない。とりわけ原発事故被災地域においてはいっせいに大量の空き地が出現しており、状況はますます深刻だ。なぜなら土地そのものが汚染されているからだ。 まずは、空き地ですら、都市計画や関連事業によっては解消することができないという状況に対して、私たちの現代社会の能力の限界として受け止める必要がある。 しかし中には、居住者や元居住者などによって、ささやかな利用もみられた。必ずしも確固とした持続性があるわけではなくても、状況に応じて取り組み内容に修正を加えながら、やれること/やりたいこと/やるべきことに取り組んでいるといえよう。そのような取り組みを自然(じねん)的実践として理解した。 さらに、都市化という現象にも着目した。都市化とは、都市になる前の現象だと理解されてきた。しかし、原発を誘致した自治体における空間変容を明らかにしたことで、都市ではない非都市においても、都市化の影響を受けていることを明らかにした。こうした実態と空間変容の把握をふまえて、都市化を推進している都市計画という位置付けを整理することができた。 今後は、自然(じねん)的実践の発生理由や影響について、調査分析する必要がある。また、原発事故被災地域のように土地が汚染されている状況とそうではない状況を比較研究しながら、原発事故被災地域の固有性と普遍性についても検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
空き地を一つの着眼点として、実態把握の調査を行ったので、都市計画の現状を把握することができた。また都市化という概念についても、事例研究を経て、理解を深めることができた。よって「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
非都市における都市化について、なぜそのような現象が生じるのか、どのようなメカニズムなのか、どのような現象なのか、といった点を明らかにする。 同時に、非都市において都市化以外の方法をとっている地域を対象として、事例研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度始めから夏まではコロナの影響で、想定していた現地踏査ができなかった。2023年度に行いたい。
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