• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

人口減少都市のアーバンデザイン手法の体系化と空き不動産の選択的再生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04455
研究機関九州大学

研究代表者

黒瀬 武史  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50598597)

研究分担者 寺田 徹  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00619934)
矢吹 剣一  横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10837090)
藤井 康幸  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20630536)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード人口減少都市 / アーバンデザイン / 米国 / ラストベルト / 空き地 / 空き家
研究実績の概要

本研究は、成長や開発を前提としない人口減少都市のアーバンデザイン手法を体系化することを目的とする。なかでも、荒廃を防ぎ市街地を安定させる空き不動産の選択的再生の実態と活用戦略に着目し、広範囲に散在する空き不動産に対する介入手法を分析することを目標としている。
2023年度は、ミシガン州デトロイト市の都市デザイン戦略について、詳細の分析を進めた。同市のなかでも、Corktown地区・Delray地区・Campau/Bangratown地区の戦略をその対象とした。
Corktown地区は、都心部の西側に隣接しており、中心部から放射状に伸びるMichigan Ave.沿道に商業地とデトロイト中央駅が位置しており、高速道路を挟んで北側のNorth Corktown地区には空き家・空き地が集中している状況にある。デトロイト中央駅も1988年に駅としての利用が停止し、廃墟となっていたが、2018年に自動車会社のフォード社が駅舎を購入し、自動運転や電気自動車の研究施設として再利用することとなり、市の都市計画部局も協力して地区の都市デザイン戦略が策定された。大規模な跡地と人口減少の進む住宅地の組み合わせ事例として分析を進めている。
Delray地区は、米国とカナダをつなぐ新たな橋の米国側の入口となる地区であり、大規模なインフラ整備とあわせて、空き家・空き地の再開発が検討されている。衰退した住宅地を工業や物流用に転用するための法整備や住民との合意形成について特に注目して分析を行っている。
Campau/Bangratown地区では、近隣住民による空き地の不法利用の合法化や自治体がランドバンクを通して保有する空き地を活用した、土地所有の再編と緑道等の整備を新たな都市デザイン戦略として注目して分析している。現地調査により計画立案から一部インフラについては実践のフェーズに入りつつあることを確認している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、自治体ヒアリングも含め、想定していた詳細な事例分析を進めることができた。人口減少都市におけるアーバンデザインの効果について2024年度にとりまとめる予定である。

今後の研究の推進方策

2023年度に実施した調査に基づき、デトロイト市の地区スケールの再生の取り組みに活用されているアーバンデザイン方策の研究を深度化し、日本への適用可能性についても含めて検討し、学会等でその成果を公表することを目的とする。

次年度使用額が生じた理由

想定していた調査の一部を2024年度に実施することにしたため、旅費を一部次年度に繰り越した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 担い手から考える都市デザイン2024

    • 著者名/発表者名
      黒瀬武史
    • 雑誌名

      都市+デザイン 都市づくりパブリックデザインセンター

      巻: 42 ページ: 11-14

  • [雑誌論文] 福岡も直面する 人口減少下のアーバンデザイン2023

    • 著者名/発表者名
      黒瀬武史
    • 雑誌名

      I・Bまちづくり

      巻: 65 ページ: 22-25

  • [学会発表] 都市オープンスペースの体験可能性(Capability of Experiences)を評価する2023

    • 著者名/発表者名
      宍戸 翔・寺田 徹・柏原沙織
    • 学会等名
      日本造園学会全国大会ポスターセッション
  • [学会発表] Vegetation Management Based on Spontaneous Plants: Local Perceptions and Promising Approaches2023

    • 著者名/発表者名
      Liu, M., and Terada, T.
    • 学会等名
      The 18th International Landscape Architectural Symposium of Japan, China and Korea. (November 11, 2023, Kyoto University)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi