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2023 年度 実施状況報告書

VR技術を活用した避難行動特性分析の妥当性評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K04460
研究機関東京理科大学

研究代表者

水野 雅之  東京理科大学, 創域理工学研究科国際火災科学専攻, 准教授 (40366448)

研究分担者 藤井 皓介  総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (10759575)
市村 志朗  東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 教授 (30408702)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード歩行 / 他者 / 回避 / 軌跡 / 画像解析 / 座標変換 / VR / コントローラー操作
研究実績の概要

2023年度は、2022年度に実施した実空間における衝立で形成した通路での一対一のすれ違い及び追い越しの実験条件を対象に、VR空間で実施可能なシステムを開発し、VR実験を実施すると共に、実空間実験との比較を行った。VR実験では、実歩行によりVR空間を移動する方法と、コントローラー操作により移動速度を調整しながらHMDの向きにより移動する方法の2種類を採用した。
2022年度と2023年度に実施した一対一のすれ違いと追い越しの実験から次の主な傾向が確認された。実空間実験では、回避距離は他者歩行の追い越しが他の条件と比べて0.1~0.2 m大きく、離隔距離は他者が停止する条件ですれ違いの方が追い越しよりも約0.33 m大きかった。これらの結果から、他者の体の向きや動きの違いが回避距離や離隔距離に影響を及ぼすことが確認された。VR実験では2種類の移動方法を採用し、両方とも回避距離は実空間実験の実験条件間の傾向と土曜の結果が得られた。コントローラー操作による移動は、操作の不慣れ感や視野の横揺れがないことなどが影響して回避距離が小さくなった。したがって、十分な操作練習が必要であることを示唆される。一方、離隔距離はコントローラー操作の方が実空間実験と比べて大きい傾向があり、他者との距離感をつかみにくいことが影響し、全体的に実空間実験よりも早く避け始めたと考えられる。一方、実歩行によるVR実験では、追い越しでは実空間実験よりも早めに避け始め、すれ違いでは実空間実験よりも避け始めが遅れた傾向があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実空間における通路での一対一の回避行動に関する歩行実験データを2022年度に取得し,2023年度にVR空間における同実験データを取得し,両者を比較して考察しており,順調に研究を進めている。

今後の研究の推進方策

多人数での移動における他者との関わり方に関して、実空間実験とVR空間実験を実施し比較する。具体的には、群集での移動状況や出口前での滞留状況を対象とする。

次年度使用額が生じた理由

当初計画よりも次年度の配分予算が低く設定され、本年度は所属機関で配分された研究費を充当し研究を推進した。次年度計画している実験計画を円滑に進めるために使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] すれ違いや追い越しの実空間とVR空間の比較に関する研究 その1 実空間での歩行実験の概要2023

    • 著者名/発表者名
      水野雅之,伊藤大観,市村志朗,藤井皓介,田中俊成
    • 雑誌名

      2023年度研究発表会概要集 公益社団法人日本火災学会

      巻: 1 ページ: 47-48

  • [雑誌論文] すれ違いや追い越しの実空間とVR 空間の比較に関する研究 その2 実空間での歩行実験の分析2023

    • 著者名/発表者名
      田中俊成,水野雅之,伊藤大観,市村志朗,藤井皓介
    • 雑誌名

      2023年度研究発表会概要集 公益社団法人日本火災学会

      巻: 1 ページ: 49-50

  • [雑誌論文] すれ違いや追い越しの実空間とVR空間の比較に関する研究 その3 片側に壁が近接する実空間での他者を回避した歩行2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤大観,水野雅之,市村志朗,藤井皓介,田中俊成
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集(建築計画)

      巻: 1 ページ: 1281-1282

  • [学会発表] Comparative Analysis of One-on-one Passing and Overtaking Behaviors between Real and Virtual Spaces - Participant's avoidance of the other while walking through passages with varied widths in actual environment -2023

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Mizuno, Taikan Ito, Shiro Ichimura, Toshinari Tanaka and Kosuke Fujii
    • 学会等名
      IAFSS, 14th International Symposium on Fire Safety Science
    • 国際学会
  • [学会発表] Effectiveness of Digital Signages for Evacuation Guidance on Response to Fire Shutters Closing Situation - Experimental study in a virtual reality underground mall fire evacuation -2023

    • 著者名/発表者名
      Toshinari Tanaka and Masayuki Mizuno
    • 学会等名
      IAFSS, 14th International Symposium on Fire Safety Science
    • 国際学会
  • [学会発表] すれ違いや追い越しの実空間とVR空間の比較に関する研究 その1 実空間での歩行実験の概要2023

    • 著者名/発表者名
      水野雅之,伊藤大観,市村志朗,藤井皓介,田中俊成
    • 学会等名
      日本火災学会研究発表会
  • [学会発表] すれ違いや追い越しの実空間とVR 空間の比較に関する研究 その2 実空間での歩行実験の分析2023

    • 著者名/発表者名
      田中俊成,水野雅之,伊藤大観,市村志朗,藤井皓介
    • 学会等名
      日本火災学会研究発表会
  • [学会発表] すれ違いや追い越しの実空間とVR空間の比較に関する研究 その3 片側に壁が近接する実空間での他者を回避した歩行2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤大観,水野雅之,市村志朗,藤井皓介,田中俊成
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演

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公開日: 2024-12-25  

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