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2022 年度 実施状況報告書

歴史的密集市街地における生活空間としての細街路再生手法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K04481
研究機関京都美術工芸大学

研究代表者

森重 幸子  京都美術工芸大学, 建築学部, 教授 (70774892)

研究分担者 高田 光雄  京都美術工芸大学, 工芸学部, 教授 (30127097)
山内 貴博  京都美術工芸大学, 工芸学部, 教授 (50713187)
加茂 みどり  追手門学院大学, 地域創造学部, 教授 (50963203)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード細街路 / 住環境 / 再生手法
研究実績の概要

本研究は、歴史的密集市街地における細街路の再生手法について、ソフトとハードの両面から検討を行うものである。初年度は、実際に、近年京都市内で行われた細街路再生の事例の収集と、使用されている再生手法の整理を行った。
ソフト面についての検討として、細街路再生後の空間の使われ方に着目し、近年京都市内で行われた細街路再生の事例の一つである西陣地区にある袋路を対象として、再生後に店舗として入居した事業者へのヒアリングを行った。その結果、立地および袋路であることを肯定的に評価し、積極的な選択の結果として入居し利用している実態が明らかになった。袋路という奥行のある空間特性を生かした適合的な事業形態が存在していることを示しており、袋路奥の空間利用の可能性を示すものであった。また、使われ方の検討の一環として、住宅のアプローチ空間としての露地に着目した具体事例の分析も行った。
ハード面についての検討として、制度的側面に着目し、細街路再生事例の整理において課題であることが明らかになった、細街路の土地の所有権について、細街路の多く存在する地区を選定し、地区内の権利状況の悉皆調査を行った。その結果、細街路の通路部分の所有権が分割されている状況が現状として多数を占めており、関係者間での合意形成の問題の大きさが改めて確認された。また、特に表町家の下を路地が通るという複雑な形状であるトンネル型の細街路において、権利が錯綜している実態が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

細街路再生の手法について、具体事例の関係者に対する聞き取りや、制度的な課題についての調査について、これまでのところ大きな問題はなく、今後予定しているアンケート調査も協力が得られる体制が整いつつあり、今後も研究推進が可能である。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度に引き続き、具体事例のケーススタディと、細街路再生を取り巻く制度的な課題に関する調査を行うとともに、予定しているアンケート調査の具体的な検討と実践を行う予定である。
制度的な課題として扱っている権利の調査は、今年度行った調査データを用いた整理と分析を継続して進めるとともに、調査の中で見つかった特異な事例についてのケーススタディを行いたいと考えている。合わせて、細街路沿道敷地における建築行為に対する制度の変遷についての整理を行う。また、利用者の意識についての調査として、京都市東山区内の具体的な学区を対象とし、細街路沿いの居住者に対するアンケート調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

アンケート調査および所有権の実態調査に利用する登記簿調査の当該年度の使用範囲を変更したこととと、旅費の使用額が見込みより少なくなったことから次年度使用額が生じた。次年度に実施予定のアンケート調査のための費用、及び次年度に調査対象を拡大する予定であることから生じる旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 路地と露地に関する調査12023

    • 著者名/発表者名
      山内貴博
    • 雑誌名

      京都美術工芸大学研究紀要

      巻: 3 ページ: 122-131

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 京都市都心部のトンネル型細街路の形態と権利2023

    • 著者名/発表者名
      森重幸子、髙田光雄
    • 学会等名
      日本建築学会大会(近畿)大会学術講演会
  • [学会発表] 露地と路地の調査12023

    • 著者名/発表者名
      山内貴博
    • 学会等名
      日本建築学会大会(近畿)大会学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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