研究課題/領域番号 |
22K04519
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水田 丞 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (40540406)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | トーマス・ウォートルス / 鉱山開発 / ウォートルス兄弟 |
研究実績の概要 |
2022年度は研究計画に基づき、ウォートルス兄弟の鉱山開発について調査研究を行った。研究実績は下記の通りまとめられる。 1) ウォートルス兄弟とかかわりが深く、明治時代の日本で鉱山技術者として活躍したエラスマス・ガワーについて調査した。東京都立公文書館、長崎歴史文化博物館、外務省外交史料館等において資料調査を、また北海道の茅沼炭鉱、新潟県の佐渡金山において現地調査を実施し、ガワーの鉱山開発の技術的特徴を把握することを試みた。特に、鉱石の運搬システムに大きな特徴があるのではないかと考えている。 2) ウォートルス兄弟の三男で、鉱山技術者として活躍したアーネスト・ウォートルスの経歴についてウィリアムズ・グレイ文書(ニュージーランド・タイラフィティ博物館所蔵)をもとに整理し、9月に金沢市で開催された日本産業技術史学会で口頭発表した。さらに、明治初期の日本や米国コロラド州におけるアーネストの活動を調べ、査読論文として投稿した。 3) 明治時代の日本におけるウォートルス兄弟の鉱山開発について調査した。具体的には、長崎県の高島炭坑における長男トーマス、群馬県の中小坂鉄山における次男アルバートの活動について、三菱史料館、横浜開港資料館、東京都公文書館、外務省外交史料館等で資料調査を行った。 4) ウォートルス兄弟も含まれる19世紀の東アジアで活躍した外国人建築技術者について、ディレクトリー(外国人名鑑)を資料にした論文を『建築史学』に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した研究実績をあげているため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ウォートルス兄弟の鉱山開発について調査研究を進める。昨年度は三男アーネストの履歴について調査したが、今年度は兄弟が関係した国内外の鉱山開発の技術的な特徴について検討する。
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