研究課題/領域番号 |
22K04532
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30302178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 積層造形 / サンドイッチ構造 / 複合材料 / 熱残留変形 / 最適設計 |
研究実績の概要 |
本研究では、表面材と心材の組み合わせに依存しない複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の高性能化を目的とした設計方法と一括積層造形方法を開発し、将来の自動車や航空宇宙機器などで用いられる複合材構造の製造方法として、その低コスト化および開発リードタイムの短縮、マルチ・マテリアル化に大きく貢献することを目的としており、本研究において提案する、表面材の熱残留変形特性を考慮した複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の振動・減衰特性最適化による設計方法の有効性について、数値シミュレーションに基づく検討を行った。 初めに、表面材の熱残留変形特性解析を実施した。積層パラメータの概念を導入することにより、非対称積層板の積層構成が熱残留変形特性におよぼす影響について検討するとともに、4個の面内・面外カップリング積層パラメータのうち非対称積層板の熱残留変形特性に対する感度の小さいパラメータが存在することが確認できた。また、表面材の熱残留変形特性と複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の振動・減衰特性の関係について確認できた。 次に、表面材の熱残留変形特性を考慮した振動・減衰特性最適化に関する検討を実施した。非対称積層板の熱残留変形特性に対する感度の小さい面内・面外カップリング剛性を積極的に利用することにより、表面材の熱残留変形の抑制と複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の振動・減衰特性の向上を同時に図ることが可能であることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、表面材と心材の組み合わせに依存しない複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の高性能化を目的とした設計方法と一括積層造形方法を開発することを目的としている。 令和4年度研究のうち、表面材の熱残留変形特性解析の実施、および表面材の熱残留変形特性を考慮した振動・減衰特性最適化計算の実施については、「5. 研究実績の概要」において述べた通り、提案する設計方法の有効性の確認や課題の抽出がおおむねできている。また、3Dプリンタを用いた積層造形に関する予備実験の実施については、補助事業期間開始直前からの急激な円安の進行を踏まえて3Dプリンタの購入を令和5年度以降に先送りしたため未実施であるが、より安価な代替案の検討を併せて進めている。 以上より、現在までにおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において提案する、表面材の熱残留変形特性を考慮した複合材/粘弾性材サンドイッチ構造の振動・減衰特性最適化による設計方法の有効性について、ハンド・レイアップ法、または3Dプリンタを用いた積層造形による成形実験に基づく検討を行う。最適積層構成を有する表面材の熱残留変形特性の形状測定試験による評価、サンドイッチ構造の表面材・心材間の界面特性の評価、ならびに最適化されたサンドイッチ構造の振動・減衰特性の振動試験による評価を実施し、提案する設計方法の有効性を詳細に検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも安価に研究を進めてきたため、また、当初計画では令和4年度に3Dプリンタを購入予定であったが補助事業期間開始直前からの急激な円安の進行を踏まえて令和5年度以降に購入を先送りすることとしたため、次年度使用額が生じた。次年度の研究遂行に関連して、3Dプリンタを用いた積層造形に必要となる3Dプリンタ材料(フィラメント)の購入、および積層造形と並行して従来の成形方法であるハンド・レイアップ法により複合材サンドイッチ構造を成形するためのCFRTP積層板試験片の購入を行う。また、研究調査・学会発表のための国内出張を行う。
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