研究課題/領域番号 |
22K04552
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宅 英司 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (50263728)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | フィルム型太陽電池 / 散乱日射量 / 直達日射量 / 等価回路 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,陸上とは異なる船上の設置環境において,垂直面,曲面に設置したフィルム型太陽電池の発電特性を推定し,発電電力を最大化する太陽光発電システムを計画する手法を確立することである。本研究では (a) 小電力・計装用途の固定式の独立型太陽光発電システム,(b) 可搬式の非常用シート型太陽光発電システム,(c) フィルム型太陽電池を居住区等の垂直壁面に設置する中規模の発電システムを対象としている。 初年度の2022年度は研究を実施する上での基盤となる日射データ収集と太陽電池フィルムの曲面上の日射量推定方法などの基礎技術,システム(a)のプロトタイプ開発について研究を実施したが,2年目の2023年度も屋外での日射量データ収集を引き続き実施し,年間を通しての日射情報の蓄積を行った。2023年度の成果としては特に,(成果1)前年度の日射量推定方法を高精度化するため,計測した4~5方向の日射強度データから直達成分,散乱成分,反射成分を推定し,任意の方向における日射強度を推定する手法を提案し,推定精度を示した。(成果2)さらに両面受光型で透過型の有機薄膜太陽電池を導入し,様々な受光状態での出力特性を実測し,取得したデータをもとにシミュレーションモデルを作成して,その発電特性の推定精度について検討した。(成果3)また,フィルム型太陽電池のシミュレーションモデルにおいて曲率の小さい曲面形状をもつ場合の推定精度向上のために,実測データと計算結果を対比して各種パラメータの影響度,セルサイズの影響等を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では,2023年度は(b) 可搬式の非常用シート型太陽光発電システムについて研究を実施することを予定としていたが,研究全体の実施に関わる日射量の推定手法,および,曲面形状を持つフィルム型太陽電池のシミュレーションモデル,フィルム型太陽電池の形状計測手法について,それぞれに解決すべき課題があり,課題解決に注力したことにより,可搬式システム(b)の開発進捗に遅れが生じた。 一方で,2024年度に実施を計画している(c)中規模の発電システムで使用を検討している有機薄膜太陽電池を導入し,発電試験とシミュレーションモデル作成を実施した。 なお,研究成果の一部を公表する予定であったが,曲面の日射量推定精度,シミュレーションモデルの温度影響に解決すべき課題があり,公表を見送った。
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今後の研究の推進方策 |
今後については,2022~2023年度に実施した (a) 小電力・計装用途の固定式の独立型太陽光発電システム,(b)可搬式の非常用シート型太陽光発電システムの開発に関して,未達成の事項を引き続き実施する。さらに2024年度に注力して実施予定の(c)フィルム型太陽電池を居住区等の垂直壁面に設置する中規模の発電システムについて実施する。 最後に,3年間の研究成果の総括し,公表する。
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