研究課題/領域番号 |
22K04559
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
小森山 祐輔 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (90805110)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | カルマンフィルタ / 波プロファイルの同定 / 非計測船体応答の推定 / 損傷船体 / 縦曲げ最終強度の推定 |
研究実績の概要 |
2022年度は、船体に作用する荷重を推定する技術の開発・検証と、損傷した船体の縦曲げ最終強度の簡易推定手法プログラムの開発・検証を実施した。 船体に作用する荷重を推定する技術は、計測した船体応答の時系列データと、波に対する船体応答の応答関数を用いて、カルマンフィルタによりリアルタイムに波プロファイルを推定する手法である。波プロファイルは成分波の重ね合わせで表現され、状態量として設定した各成分波の振幅を推定することができる。さらに、得られた成分波の振幅と応答関数を用いることで、非計測の船体応答を推定することも可能である。これにより、運航中の船体の状態をリアルタイムでモニタリングすることで、損傷などによる船体の異常を確認できると期待される。また、アクリル製弾性模型船を用いた水槽試験結果(長波頂不規則波)を用いて本手法の検証を実施し、十分な精度で波プロファイルおよび非計測の船体応答を推定可能であることを確認した。 損傷した船体の縦曲げ最終強度の簡易推定手法は、船体桁の断面を、パネル要素や防撓パネル要素などに分割し、各要素に平均応力-平均ひずみ関係を設定し、曲率を与えて曲率-縦曲げモーメント曲線を求め、縦曲げ最終強度を計算する手法である。この手法を実施するためのプログラムを作成し、損傷ボックスガーダーの縦曲げ崩壊実験の結果を用いて、縦曲げ最終強度の推定精度の検証を実施し、十分な精度で推定可能であることを確認した。また、損傷ボックスガーダーの縦曲げ最終強度の推定精度を更に向上させるためには、座屈や損傷部の局所変形を考慮できるように、局所変形の分曲率を増やすことや、局所変形部のひずみを増やすことなどの工夫が必要だと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、船体に損傷が発生した場合にも応答が期待される荷重推定手法と、損傷した船体の縦曲げ最終強度の推定手法について、開発・検証を行うことができ、概ね順調に研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、座礁や衝突による損傷部から浸水等が発生した場合に、どのように船体に作用する荷重が変化するか明らかにする。そのために、計算式による検討、解析による検討、実験による検討を行う。実験等には簡易的な箱型の模型船を用いて浸水実験を行う計画である。また、荷重を繰返し受けることで、損傷部がどのように拡がっていくかの基礎的な検討も行う。損傷部の拡がりについては、材料モデルの影響についても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は2022年度に模型船を用いた浸水実験を計画していたが、実験設備等のスケジュールを考慮して、実験は2023年度に実施するように変更し、2022年度は、手法の開発をメインに実施したためである。次年度使用額については、浸水実験のための模型船製作等に利用する。
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