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2022 年度 実施状況報告書

船体構造疲労寿命予測のための三次元疲労き裂進展モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 22K04564
研究機関広島大学

研究代表者

田中 智行  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20452609)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードFinite Element Modeling / Fracture Mechanics / Crack Propagation / Fatigue Fracture
研究実績の概要

デジタルツイン技術の高度化により,実測にもとづく荷重履歴を考慮した全船解析が可能となってきている.本研究では,実荷重下の船体構造部材に生じる疲労き裂進展に着目し,計算破壊力学の観点から研究に取り組んでいる.
今年度は,ばら積み船を想定し,船体構造シェル-ソリッド一体型モデルの構築を行った.グローバルモデルとして船体構造をシェルモデルによりモデル化した.ローカルモデルとして船体構造中の十字継手部を解析対象としている.モデリングおよび解析の妥当性の検討を目的としてローカルモデルには二つのアプローチを用いた.一つ目は,四面体二次要素を用いてソリッドモデルを用い,シェルモデルと剛体要素で繋ぎ NASTRAN を用いて解析を行った (NASTRANモデル).二つ目のモデルとして四面体一次要素を用いてソリッドモデルを用い,同様にシェルモデルと剛体要素で接続し,オープンソース構造解析ソフト Code_Aster を用いて解析を行った (Code_Aster モデル).応力解析を行い,それぞれのモデルで解析結果に差が無いことを確認した.
さらに,それぞれのモデルに対して表面き裂を挿入し破壊力学パラメータ評価の基礎検討を実施した.NASTRAN モデルに対しては二重節点を用いて表面き裂をモデル化し四面体二次要素向けVCCM法により表面き裂をモデル化する.一方,Code_Aster モデルでは,X-FEM により表面き裂をモデル化し領域積分法により破壊力学パラメータを評価した.現在,両方のアプローチでほぼ同様の結果を得ることに成功している.今後は,き裂進展解析に向けより詳細な有限要素モデリングおよび破壊力学解析を実施してゆく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

解析対象に対して異なる二つのモデリングを行い解析結果の評価を行った.初期計画に対してこれまでの研究はおおむね良好に進捗していると思われる.今後,き裂解析やき裂進展解析など実施することになる.破壊力学パラメータの解析精度がき裂進展解析結果などに影響を及ぼす可能性があるため,経路独立性の確認など詳細な検討を行ってゆく必要がある.

今後の研究の推進方策

大規模構造中のき裂進展解析が可能となった後は,実荷重を想定したき裂進展解析を実施してゆく.試験片レベルで実施された過去の研究成果をもとに,大規模構造モデルに対する検討を行ってゆく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Fracture mechanics investigation of crack coalescence in a steel tubular T-joint specimen2022

    • 著者名/発表者名
      S. Tanaka, T.T. Htut, K. Maeda, K. Yagi, N. Osawa
    • 雑誌名

      Engineering Failure Analysis

      巻: 139 ページ: 106504

    • DOI

      10.1007/s00773-021-00831-z

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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