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2023 年度 実施状況報告書

洋上風力発電普及のための風車ブレード雷撃損傷痕可視化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04571
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

藤本 修平  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (80586686)

研究分担者 川端 浩和  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (10757404)
田中 元史  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (50564837)
小垣 哲也  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究チーム長 (90356973)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード洋上風力発電 / 風車ブレード / 落雷損傷 / 損傷検知 / 可視化技術 / 保守管理 / サーモクロミック / グリーン関数
研究実績の概要

本研究は,洋上風力発電の稼働率に重大な悪影響を及ぼすことが危惧されている,風車ブレードの落雷損傷を迅速に検知するための可視化技術の開発を目的としている.2023年度には主として可視化用塗料試験片の製作ならびに模擬雷撃実験を実施した.
可視化用塗料試験片の製作では,まず不可逆性の感温変色色素(一定以上の温度になると色素が変色し,常温にもどった後も変色は維持される色素.サーモクロミック色素)をFRP成型用のゲルコート(トップコート)に混ぜ込み,FRP製風車ブレードに施工できる塗料を作成した.撹拌機を用いることにより高粘度のトップコートに粉末状の感温色素を良好に分散させた.可視化用塗料を200mm×200mmのGFRP板材に塗布し乾燥させ試験片とした.塗布にはアプリケータを用い,所定の膜厚で塗料を付着させた.試験片のパラメータとして1)感温色素の含有量,2)塗布膜厚を変化させた.また,感温色素には紫外線による劣化が生じることから,それを防止するための紫外線吸収剤を含んだ塗料も作成した.
模擬雷撃実験では,大電流の空中放電装置を用いた実験を行った.作成した試験片に最大10kA(ピーク値)の電流による模擬雷撃(空中放電)を加え,雷撃による入熱履歴の可視化を試みた.今回の実験に用いた試験片はGFRP板と可視化用塗料との間の密着性が想定よりも弱く,模擬雷撃印加時に発生する衝撃力により可視化用塗料に剥離や飛散が生じることが判った.そのため,GFRP板と可視化用塗料の間に接着層(両面テープ等)を設ける等の対策を行い,入熱履歴の可視化が期待できる結果を得た.
以上の成果に基づき,2024年度は可視化用塗料の改良,改良した塗料試験片による模擬雷撃実験,ならびに可視化用塗料の耐久性実験などを実施する.これらの成果をまとめ可視化用塗料の基礎を確立する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた通りに模擬雷撃実験が実施でき,今後に向けて解決すべき課題が抽出できた.

今後の研究の推進方策

2024年度に実施予定の各内容について,計画を綿密に立てて遅滞のないように研究を推進していく.

次年度使用額が生じた理由

既存材料の有効活用等により,試験片製作費が当初の想定よりも低く抑えられたため次年度使用額が生じた.次年度はこの次年度使用額を有効に活用し,試験片製作数を増やして可視化用塗料に関するデータを充実させる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 風車ブレード表面の 雷撃損傷痕可視化手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      藤本修平
    • 学会等名
      可視化情報学会第51回可視化情報シンポジウム
  • [学会発表] 風車ブレード微細雷撃痕検出のための可視化手法の基礎検討2023

    • 著者名/発表者名
      藤本修平
    • 学会等名
      第45回風力エネルギー利用シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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