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2022 年度 実施状況報告書

IoTデバイスと連携するリアクティブスケジューリング

研究課題

研究課題/領域番号 22K04582
研究機関岩手県立大学

研究代表者

岡本 東  岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (10305310)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードスケジューリング / 多目的最適化 / IoT
研究実績の概要

センサデバイスなどから得られた生産工程に関わる人や物に関する情報をもとにした,リアクティブ・スケジューリングの実現を目的とする。スケジューリング問題の解法は広く研究されてきたが,最適なスケジュールの作成が可能であったとしても,生産現場においては状況に応じて再スケジューリングが必要となる。これに対応するための動的スケジューリングの研究もなされているが,多くは生産設備の故障などにより遅延が発生した場合の最適化アルゴリズムを扱っており,現実には遅延時間が確定してから再スケジューリングを行うことが適当でない場合もある。
本研究では,不確定環境下におけるスケジューリングにおいて,どの時点でどこまで具体的なスケジュールを決定すべきかを明らかにし,センサデバイスによって得られた現在の状況から,どのような条件によって再スケジューリングを行うべきかを明らかにする。これら結果を元に,リアクティブ・スケジューラを構築する。
2022年度・前半は,初期スケジュールを生成するスケジューラの開発を行った。要素技術は既存のものであるが,動的スケジューラへ引き継ぐ情報について検討を行った。
2022年度・後半は,動的スケジューラの開発を行った。これは,予測情報から,想定される状況下において初期スケジュールそのままで遅延等が発生した場合よりも最終的な納期遅延等への影響の小さいスケジュール候補を生成する。
具体的には,スケジュール変更につながる主な要因と考えられる以下の3つについて,確率分布を想定し,スケジューリングモデルを作成した:(a) 設備(故障等)に関わる遅延,(b) 資材(原材料や人員)に関わる遅延,(c) 前述 (a), (b) の影響を受けたジョブ(オーダー)に関わる遅延。これらのうち,IoTデバイスから得られるスケジュール変更の予測に基づく,スケジューリングモデルを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた初期スケジューラ(モデル)の開発および動的スケジューラの仕様策定はほぼ完了した。
当初の想定では,抽象スケジューリング(一部の具体的な値を確定していないスケジュールを作成するもの)は,時刻や時間や割当て等に確率分布を用いることとしていたが,事象の依存関係や独立事象の扱いや,一部の演算を確率分布のまま行うのが難しいことから,一旦具体的な標準スケジュールを作成した上で,スケジュール変更に対する許容範囲を求める方式に変更した上で策定した。抽象スケジューリングのモデルに関しては継続して検討を行う。

今後の研究の推進方策

作成したスケジューリングモデルに基づき,予測される事象対応した目的関数を用いる多目的スケジューリング手法の開発を行う。単純な方法では目的関数が非常に多くなるため,同一と見做せる目的関数の集約方法についても開発を行う。
また,スケジューラへの入力となる,測位情報・センサ情報の集計及び予測アルゴリズムの開発を行う。動的スケジューラ等の入力となる情報を生成するアルゴリズムを検討する。作業者や物の動きから,現在のスケジュールに対する進度を推定し,今後の遅延などを予測することができることを前提としているため,それが可能であることを確認する。その上で,機械学習による過去の実績を元にした予測の実験を行う。また,遅延だけでなく予定より早く進んでいるものも検出し,積極的に遅延の回復などに利用することを検討する。
さらに,スケジュール選択(セレクタ)のアルゴリズムの開発を行う。予測を元に作成されたスケジュール候補の中から適切なものを選択し,現場に作業(変更)指示を行うセレクタのアルゴリズムを検討する。状況の変化からすぐに変更指示を行う場合,変更が繰り返され現場への負担となることが予想される。また,これを防ぐために猶予を設けると,変更前の指示に従って作業に入ってしまう可能性がある。このようなトレードオフに対応するアルゴリズムを検討する。

次年度使用額が生じた理由

物品購入の際,価格の端数があったことによる。次年度の物品購入等の際に使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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