研究課題/領域番号 |
22K04599
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
沼田 秀穂 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (60450178)
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研究分担者 |
池田 佳代 東海学園大学, 経営学部, 教授 (80559956)
苗 苗 立命館大学, 経営学部, 准教授 (90780552)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地方創生 / 市民参画 / 地方創生 / ソーシャルキャピタル / デジタル社会 / SNS / fsQCA |
研究実績の概要 |
2年度目は国際ジャーナルに2本、国際会議1本の発表、国内学会発表3本を実施した。1本の論文は査読中である。また、メディアリテラシーおよび各情報に関する意識と情報探索・フォローに関わる習慣行動の関係性を追求していくための、SNSに関する意識調査(サンプル数:1,000ss、調査エリア:全国、性別:男女、年齢:15歳以上)の分析に入り論文化に向けた分析に着手している。「瀬戸内国際芸術祭 2022」瀬戸内の島しょ部におけるコミュニティなど自発的な市民コミュニティの参与観察も継続している。 情報発信者がマスメディアなどのしっかりと取材をしたことが想定されるようなメディアに対しては信頼する傾向が高いが、マスメディアに対する認識が世代によって異なっている状況の精査を行っている。 質問紙調査の分析においては、SNS上における情報発信や収集、転送を行っているメンバーからは、4つの潜在的因子を抽出できた。しっかりと論理的に考えることができている「論理的思考因子」と、流れている情報は調べなくても正しいと信じる「他者協調因子」、そもそも、他者そのものを信じているという「他者信頼因子」、まずは自分のことを中心に考える「自己中心因子」である。男女差においては、SNS活用状況における「論理的思考因子」を重要キーとして観察した場合は、女性の方が有意に高い得点を示している。 さらに、複雑性理論を適用することにより、マスメディアとインターネットメディアに対する信頼意識と、情報転送や共有(シェア)などの情報行動との関係性について引き続き追及している。これらをベースに本研究の実務的インプリケーションをさらに深める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ渦が収束に向かってはいるg、主たる調査対象のせとうち島嶼部における調査は、まだ遅れが出ている。 また、2024年3月末で所属機関が定年退職となった。2023年度は学務の整理引継ぎ等に時間を要し、研究時間の確保が減少した結果、若干の遅れが出ている。 1年度に限り補助事業期間を延長を行う予定。
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今後の研究の推進方策 |
アンケート調査結果を精査・分析を継続し論文投稿に繋げていく。メディアリテラシーおよび各情報に関する意識と情報探索・フォローに関わる習慣行動の関係性および Eroglu らの SOR モデル(2001)、Rogers(2003)の普及モデルにおける各フェーズを統計的に検証し、市民参画意識の形成要件を解明する。さらに、活動が活発な地域コミュニティにインタビュー調査にて定性的分析を継続する。市民参画・社会行動との関係性および、ソーシャルキャピタルの形成・蓄積との関係性を定量的・定性的に明らかにし、自発的・双方向性のコミュニティ形成プロセス分析とフィジカル空間との融合を観察・分析市民参画の推進方法を検討する。 質的比較分析(fsQCA)スキルを高めながら、活動が活発な地域コミュニティにインタビュー調査にて定性的分析を行う。市民参画・社会行動との関係性および、ソーシャルキャピタルの形成・蓄積との関係性を定量的・定性的に明らかにし、市民参画の推進方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の研究予定が所属大学の定年退職年度による学務のまとめ作業で遅れたこと、および現地調査がまだコロナ渦の影響もあり実施がずれ込んだことによる影響で全体スケジュールに遅れが出ました。 次年度において普及モデルにおける各フェーズを統計的に検証し、市民参画意識の形成要件を解明する作業のための調査実施費用、さらに、活動が活発な地域コミュニティにインタビュー調査にて定性的分析を行うための調査実施費用に充当させます。2024年度は当該予算によってソーシャルキャピタルの形成・蓄積との関係性を定量的・定性的に明らかにし、市民参画の推進方法を提案させていく研究を推進いたします。
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