研究課題/領域番号 |
22K04636
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
内田 健一郎 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10754707)
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研究分担者 |
溝端 康光 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90420736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ドクターカー / キーワード方式 / 救急医療 / ドクターヘリ / 救急隊 |
研究実績の概要 |
現在研究に必要なアンケート回収・集計は終了した。 大阪市消防局所属救急救命士からのドクターカーに関する事前アンケート調査においては、150名のアンケートのうち147名 (98.0%)がドクターカーとの協働が有用である事例があるとの回答であった(表1)。その内容は図3に示す通り、重複を含めて、巻き込まれなどの救出事案83(39.1%)、重症外傷53(25%)、心室細動症例を含めた心肺停止38(17.9%)、搬送困難症例24(11.3%)に期待を寄せられた。 アンケート結果としては、現場で傷病者と接触した186件のうち、救急隊からは58件(31.2%)、傷病者関係者からは68件(36.6%)、当院以外の搬送病院先からは70件(37.6%)の回答を得た。 大都市医療圏での前方医師派遣型ドクターカーの活動は特に3次搬送の適応となる外傷や心肺停止事例において傷病者・医療従事者・救急隊三方向からの需要が高く、活動範囲を拡大しての運行も選択肢と考慮された。一方生理学的異常のない重篤疾患を考慮したキーワードによる出動は収容先医療機関からは低評価であり、より綿密な診療情報共有とコミュニケーションの確立、疾患的中率を上げる取り組みが重要と思われた。傷病者関係者からは事例内容に関わらず心因的安心、信頼に繋がっていることが示唆された。 本研究をもとに、引き続き出動ケースの医学的観点からの評価の他、患者評価、救急隊評価、搬送先医療機関による評価などを客観的に集約し、大阪市消防局とも連携、協議を重ねて課題を明確にしていくことで、ドクターカーの効率的運用により地域の救急医療システムを高め、機能的かつ効率的な医療提供に役立てていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート回収、集計など、概ね計画通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究をもとに、引き続き出動ケースの医学的観点からの評価の他、患者評価、救急隊評価、搬送先医療機関による評価などを客観的に集約し、大阪市消防局とも連携、協議を重ねて課題を明確にしていくことで、ドクターカーの効率的運用により地域の救急医療システムを高め、機能的かつ効率的な医療提供に役立てていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ保存用にHDDが必要であったが、円安などの観点で、物品購入値段が予算に比べ増加していた。
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