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2023 年度 実施状況報告書

災害予測精度向上のための移動型重力勾配計の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04649
研究機関群馬大学

研究代表者

潮見 幸江  群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (60584266)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード地下探査 / 移動観測 / マッピング / 重力勾配 / 干渉計 / 火山 / 山体斜面 / 道路陥没
研究実績の概要

日本は地震・火山大国として知られ、地震や噴火による災害が多く報告されている。また近年は集中豪雨による土砂災害や都市部における道路陥没なども多く報告されている。このような地下の異変によって生じる災害については、正確に予測することは困難である。予測が困難である主な理由は、地下の状況がよくわかっていないためである。地下の状況は、目で見て把握することはできないため、地下を透視する特殊な技術が必要である。
これまで重力探査や地中レーダー探査、電磁探査など、地下の様子を捉えるためのさまざまな技術が開発され、成果を挙げてきた。しかし、従来の技術は、地面振動や地中の塩分や水分、電磁気など、様々なノイズの影響を受ける。日本は海に囲まれているが、沿岸域では地中塩分量の影響があり、打ち寄せる波による地面の振動がある。また市街地では交通などの人的活動による地面の振動があり、工場や市街地では電磁気的なノイズが発生する。また活火山の付近では、噴火活動に伴い地面に振動が生じている。これらのことから、従来の技術では、市街地や火山地域において精度の良い観測をすることが困難となっている。
そこで、本研究では、測定値が地面振動や地中塩分量・水分量、電磁気などの影響を原理的に受けない干渉計型重力勾配計と呼ばれる地下探査技術の開発を行ってきた。独自の投げ上げ法を開発することにより、高精度反復測定と小型化を実現し、現在はこの利点を活かして世界初の干渉計型重力勾配計の移動観測技術の確立を目指している。この技術をこれまで精度の良い観測が困難であった市街地や沿岸域・火山地域等に適用することで、災害予測精度の向上に貢献することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響により、実験室の利用が制限された期間が続いたため、実験作業や装置の組立作業を実施することができなかった。また、これまでの研究成果を分析した結果、設計要件を決定するにあたり、干渉計の回転ノイズをより詳細に分析する必要があることがわかったため、製作に先立って、ノイズ分析と評価を行った。

今後の研究の推進方策

昨年度行ったノイズ分析の結果を適用した組み立て式移動台車を設計・試作し、試験を行う。

次年度使用額が生じた理由

本研究開始後の2年間はコロナ禍の影響で大学の入構規制があり、実験・開発作業を行えない時期があったため、当初の計画よりも研究が遅れている。また前述の通り、設計要件を決定するにあたり干渉計のノイズ分析と評価をより詳細に行う必要が生じた。その結果、当初予定していた研究を次年度に行うことになったため次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Rotational disturbance in laser-interferometric gravity gradiometry2024

    • 著者名/発表者名
      Sachie Shiomi
    • 雑誌名

      Physica Scripta

      巻: 99 ページ: 1 16

    • DOI

      10.1088/1402-4896/ad3021

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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