研究課題
2023年度はSAR再生処理で用いられる高速フーリエ変換(FFT),乗算,三角関数についての高速化の検討を行った.乗算については,AMD FPGAで用いられるDSPを想定し,乗数と被乗数が異なるビット数の場合のKaratsuba法の拡張を行ない,2023年6月に電子情報通信学会RECONF研究会で発表した.三角関数については,CORDICをRISC-Vのベクタ拡張のアセンブリ言語での記述を行なって,高速に計算する方式を実装・評価し,2023年7月に情報処理学会組込みシステム研究会で発表した.FFTについては,Cooley Tukeyアルゴリズムについて,通常の計算量はO(nlog n)であるが,理想的に並列化した場合にO(log n)にできることを示し,2024年2月に千葉大学で行われた第26回CEReS環境リモートセンシングシンポジウムで発表した.乗算に関する研究成果について,2024年2月に特許を出願した.また,FFTに関する研究成果では,FPGAを用いることで,スループット性能の向上だけでなく,レイテンシの飛躍的な短縮が可能であることを,理論的に示すことができた.このFFTに関する研究成果を発展させ,特許を出願する予定であり,出願後に研究発表を行う予定である.SAR再生処理については,先行研究を踏まえ,アルゴリズムの検討を行ったが,論文等の発表にまでは至らなかった.以上を踏まえると,研究目標として掲げていた,SAR衛星を用いたリアルタイム土砂災害情報提供システムの実現可能性については,技術的には所定時間内に計算を終えられそうである見込みが立った.
2: おおむね順調に進展している
2023年度はSAR再生処理で用いられるFFT,乗算,三角関数についての高速化の検討を行った.乗算については,AMD FPGAで用いられるDSPを想定し,乗数と被乗数が異なるビット数の場合のKaratsuba法の拡張を行なった.三角関数については,CORDICをRISC-Vのベクタ拡張を用いて高速に計算する方式を検討した.FFTについては,Cooley Tukeyアルゴリズムについて,通常の計算量はO(nlog n)であるが,理想的に並列化した場合にO(log n)にできることを示した.乗算に関する研究成果について,特許を出願した.SAR再生処理については,先行研究を踏まえ,アルゴリズムの検討を行ったが,論文等の発表までは至らなかった.以上を踏まえると,研究目標として掲げていた,SAR衛星を用いたリアルタイム土砂災害情報提供システムの実現可能性については,技術的には所定時間内に計算を終えられそうである見込みが立った.
FFTに関する研究成果では,FPGAを用いることで,スループット性能の向上だけでなく,レイテンシの飛躍的な短縮が可能であることを,理論的に示すことができた.このFFTに関する研究成果を発展させ,特許を出願する予定であり,出願後に研究発表を行う予定である.
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