研究課題/領域番号 |
22K04708
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐藤 雄亮 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (10431628)
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研究分担者 |
江島 広貴 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00724543)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 水中接着剤 |
研究実績の概要 |
消化管吻合は消化器外科手術では必須の手技であるが、現在の吻合方法では難易度が高く時間がかかり縫合不全も起こり得る。本研究では1.誰にでもできる、 2.早い、3.絶対に漏れない、をコンセプトにした次世代の消化管吻合になり得る消化管吻合用接着性シートの開発を目的とする。すでに臨床応用されているpHの 変化に強い生体吸収性シートと現在の世界最高接着強度を達成した水中接着剤を組み合わせることにより消化管吻合用接着性シートのプロトタイプを作成し、動 物摘出臓器での実験および動物実験での生体内での反応から最も適切な条件を調べることにより臨床応用を目指す。消化管吻合のブレイクスルーを起こすには絶 対に必要な研究である。 完全に浸漬した状態で岩に固着して生息しているホヤの接着モチーフであるガロール基に着目した接着剤についての研究を進め、止血剤として医療用途に用い られている天然のポリマーであるキトサンにガロール基を修飾したガロール基就職キトサンのシートを作成した。このシートを用いて行った耐圧強度試験では、 現在臨床で使用されているタコシール、ボルヒール、ベリプラスト、セプラフィルムの約5倍の強度を達成した。ただし、このシート自体の強度が弱く、剥がそうとするとシート自体が裂けることがわ かった。今後、グンゼ株式会社から販売されているシームデュラをベースとしたシートとこのガロール基就職キトサンシートを接着剤として2層構造にすることを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ガロール基修飾キトサンそのもののシートは完成していて接着性も確認しているが、シームデュラをベースとしたシートとの2層構造がまだ作成途中である。
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今後の研究の推進方策 |
シームデュラをベースとしたシートとこのガロール基就職キトサンシートを接着剤とした2層構造が完成したら動物実験で止血、気漏閉鎖の有効性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度できなかったシームデュラをベースとしたシートとこのガロール基就職キトサンシートの2層構造シートの接着性評価を行う。
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