| 研究実績の概要 |
層状MnO2の層間に酸化還元活性な金属錯体を挿入することで,比容量が増加することを初めて見出した。さらに,波長依存の光電流(5倍)を示した。層間の金属錯体種の違いにより低エネルギーで水電解によるガス発生が進行し,作製膜の触媒能を観察した。 本研究課題の目的は,金属錯体(Co, Cr系)/ 層状MnO2薄膜を作製し,①良導電性竹炭/CNTとの複合による触媒能向上(電気分解の高効率化),②電解装置直結のガスクロ-in situ分析による反応速度論的解析と電子伝達機構を明らかにすることである。 2024年度では,引き続き,(1)竹炭/CNT混合膜との金属錯体/層状MnO2のバインダーフリー水電解触媒を作製し,金属錯体種および電解質を変更し,水電解反応の各種条件の最適化を行った。各種配位子をbpy(ビピリジン)とen(エチレンジアミン)に固定したCoとCr錯体を中心に進め,水素ガス発生の実験条件の最適化について検討した。また,ガスクロ分析による定量分析と反応速度解析を実施し,反応メカニズムを各種分光分析により明らかとした。 全サンプルでガス発生を確認した。金属錯体を導入した層状マンガン酸化物により低電位での水素発生が可能であることを明らかにした。水素ガス発生のメカニズムは混合原子価状態(Mn(III)/Mn(IV))である層状マンガン酸化物のマンガンのMn(III)がMn(IV)に酸化電子が水素発生に関係しており,Mn(III)とMn(IV)の比率は,層間イオンや作製電位および各種添加剤等で制御できる。光を照射することで,水素発生量が3倍に上昇した。反応速度は,0.14mL/h・cm2であった。
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