2022年度では、γ”-Ni3Ta相の析出するNi-Fe-Cr-Ta系合金において、γ/Ni3Ta二相間の相平衡およびγ”-Ni3Ta析出粒子の組織安定性に及ぼす合金元素添加の効果を実験的に調べ、以下の結果を得た。 ・900℃におけるγ+Ni3Ta二相域は、V添加によりほぼ等Ta濃度方向に19 at%Vまで拡張するが、Ti, Hf添加では低Ta濃度方向に伸びその範囲は狭い。 ・Ni3Ta相の析出に対する過飽和度を揃えた合金を用いて800℃において時効実験を行った結果、γ”-Ni3Ta相の安定性はVおよびTi添加により向上し、Hf添加ではやや悪化する傾向が認められた。
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