研究課題/領域番号 |
22K04749
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田村 卓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (30446588)
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研究分担者 |
李 明軍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50392808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ネオジム磁石 / セミソリッド / 異方性 / レオロジー / スラリー / せん断加工 |
研究実績の概要 |
2022年度は「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金、及び「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金を対象として、「せん断加工によるセミソリッドスラリー化技術」を用いてセミソリッドスラリーの状態を調査するとともに、Flemingsが考案したレオロジー特性測定手法を用いてレオロジーと固相破断の関係性を調査した。「せん断加工によるセミソリッドスラリー化技術」は実施者らがMg合金にて実用化させた技術であり、小径の穴にセミソリッド状態の試料を通すことにより固相にせん断力を与え、固相を微細化し、セミソリッド試料を流動性の良いスラリーにする技術であり、そのスラリーを金型に充填することにより任意の形状を付与することができる。Mg 合金においては固相率が55%に達するまで非常に流動性の良いスラリーとなることが判明している。 その結果、セミソリッドスラリーの特性は「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金と「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金では全く異なる事が判明した。「NdCu共晶+50wt%Nd2Fe14B」合金では完全充填できる成形圧の2.5倍の成形圧を印加しても「NdCu共晶+55wt%Nd2Fe14B」合金では完全充填出来なかった。 また、Flemingsが考案したレオロジー特性測定手法を用いて、固相破断を行っていない試料の特性を調査すると、固相破断はある一定圧を印加すると一気に破断する事が判明した。この事より、一定圧以上を印加する事により固相を破断させていない試料においてもレオロジー測定が可能であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、Flemingsが考案したレオロジー特性測定手法の有効性、セミソリッドスラリーの特性が変化する組成を見出す事が出来た。以上の結果より、本年度の研究目標はおおむね達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降は、「せん断加工によるセミソリッドスラリー化技術」を用いて固相破断を先に行った試料のレオロジー測定を行い、固相破断を行わなかった時と比較し、破断機構やレオロジー変化を調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
主な次年度使用額が生じた理由としては、実験補助員の確保が出来なかったことにある。この使用計画としては、実験補助員の確保が出来たことから、翌年度分の人件費と合わせて実験補助員を雇用し、実験を加速させる予定である。
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