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2023 年度 実施状況報告書

デジタル画像相関解析によるMg合金における動的再結晶を伴う擬超塑性挙動の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K04771
研究機関東京電機大学

研究代表者

小貫 祐介  東京電機大学, 工学部, 准教授 (50746998)

研究分担者 古賀 紀光  金沢大学, 機械工学系, 准教授 (30735923)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードマグネシウム合金 / DIC解析
研究実績の概要

前年度までに加熱装置を除く引張変形中のその場観察装置を構成することが出来た。これを用いて今年度は室温変形中のその場観察・DIC解析を行った。エッチングを行った組織を倍率約200倍で観察することで、DIC解析を行うことが可能であることを確認した。微細粒が密に存在する領域とそうでない領域の変形挙動の差異を確認することを目的に、粒径の自動計測など、DIC以外の画像解析手法についての開発を行った。
結果的に表面に見られる粒径分布とひずみ集中の相関は統計的観点からはほとんど確認できなかった。これは試料の厚みが2 mmと大きく、表面に見えている数十μmの結晶粒組織が厚さ方向の材料性質を代表しているわけではないことが原因であったと考えている。これを受けて、次年度はより薄い試験片を対象とすることにした。また、粒径解析のために開発したMATLABコードは今後の研究実施にも活用できる大きな財産となった。
一方、例外的に存在する粗大粒とその周囲の観察では、変形双晶の発生とその後の著しい硬化の様子が捉えられた。また、DP鋼などの先行研究では、ひずみ集中領域は変形初期に生じた後、変形を通じて優先的に変形が進行することが報告されているが、AZX612マグネシウム合金では、変形集中部と難変形部が入れ替わる現象が観察された。これは双晶発生などの不連続な組織変化に起因する、マグネシウム合金の特有の現象のように思われ、今後の調査課題の一つである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

機器整備の観点からは、2年目で加熱装置の導入を完了させる予定であったが、担当学生の体調不良などによりやや遅れが生じている。一方でその間に室温変形中のDIC解析やその他の画像解析に取り組んだことで、解析技術の面では習熟・進展が見られた。また本研究の派生応用研究であるマグネシウムの曲げ加工性に関する研究では、他大学でのEBSD解析の実施などにより興味深い結果が得られている。これらのソフト面での進展があったことから、3年目は当初想定の実験を完遂することができると期待できる。

今後の研究の推進方策

加熱装置の配線設計、取り付け治具設計は完了しており、治具の作製にはすでに取り掛かっている。試料周りの気密機構も含め、9月ごろまでには高温変形実験が可能な環境が整う予定である。また、試料の厚さを減らし、より表面組織が内部を代表し得る状況とするため、0.3 mm程度まで温間圧延により試料の厚さを調整した。加工を行ったことで、結晶粒径の分布を任意に作り分けることが可能となったと目される。このため、加熱装置の導入と並行して、その場観察に適した試料側の微細組織調整も行っていく。これらを用いた年度後半の実験によって、年度末には、学会発表、論文発表が可能な水準の結果が出そろうものと想定している。

次年度使用額が生じた理由

本年度は技術開発に徹し、発表活動を行わなかったため、支出のすべてが物品費となった。必要と目される物品は調達が完了し、残額は次年度における学会発表費用などに充当したいため、未使用額を繰り越すこととした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Ductile behavior assisted by continuous dynamic recrystallization during high-temperature deformation of calcium-added magnesium alloy AZX6122023

    • 著者名/発表者名
      Onuki Yusuke、Masaoka Kasumi、Sato Shigeo
    • 雑誌名

      Journal of Alloys and Compounds

      巻: 962 ページ: 171147~171147

    • DOI

      10.1016/j.jallcom.2023.171147

    • 査読あり
  • [学会発表] Improvement of bending formability of AZX612 magnesium alloy by shot peening and heat treatment2024

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Manaka, Yusuke Onuki
    • 学会等名
      20th International Conference on Textures of Materials
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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