現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新装置を用いて電極長さおよび処理時間の最適化実験を実施した。 電極長さ最適化実験では、電極長さを40,70,100mmと変化させ、70mmのとき最もガスバリア性が高かった。これは電極が長い方が電極温度が高く、さらに通過距離も長くなることでプラズマガスの活性が増大したためだと考えられる。一方、電極100mm時には噴射ガス温度が99℃となり、PET基板のガラス転移点を上回ったため、ガスバリア性が低下した。 次に、100mmの電極では基板が変形したため、噴射ガス温度を抑えるために処理時間を短くする実験(処理時間最適化実験)を行った。本実験では100mmの電極を用い、基板を移動させる速度(以後、台速と呼ぶ)を0.1,0.2,0.3mm/sec.と変化させた。その結果、台速が速いほど噴射ガス温度は下がり、0.3mm/sec.のときには70℃を下回ったが、ガスバリア性やSi含有割合は前の実験の電極70mm、台速0.1 mm/sec.の時が最適であった。これは台速を速くし処理時間を短くすると、単位面積あたりに基板上に堆積する前駆体の数が減少し、膜密度が低くなるためであると考えられる。
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