研究課題/領域番号 |
22K04783
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 結晶欠陥 / 転位 / TEM / 透過型電子顕微鏡 / レーザー損傷 / ボイド / 集光 / ステルスダイシング |
研究実績の概要 |
透過電子顕微鏡観察用に試料を薄膜加工し,転位等の結晶欠陥の分布から試料に加わった応力・熱履歴を判定する.また顕微鏡内その場加熱観察から現象発現および内部構造の動的挙動から条件出しの基礎データを作成している 内部集光型パルスレーザ照射により結晶内の欠陥形成に関して,Siに続きサファイヤについて形成される欠陥の性状を明らかにした.サファイヤでは球状のボイドが形成しとりまくように溶融痕と思われる層が形成する,またクラックがボイドを起点に形成する.Siとの違いは加熱時の熱吸収特性の違いによるものと推察している.2次的に加熱を行うと溶融層が粒界に変性する. SiではCz成長タイプのほか酸素含有量が異なるFz成長タイプをそれぞれ大気中と真空中で加熱しボイドの加熱挙動をについて調査した.2次的加熱によりボイドは酸素雰囲気が乏しい条件のボイドは縮小あるいは消滅することがわかった. そのほか,TEMその場加熱観察からボイドの体積減少と密集する転位の開放する動的挙動の観察をすすめることにより,欠陥の加熱時の動的挙動の基礎特性を取得し,制御可能なボイドとクラックのスケール感と温度特性を明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部試料の入手と試料条件の調整に遅れが出ているが,基礎実験については順調に進んでいる.今後外部発表等にも取り組んでいきたい
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今後の研究の推進方策 |
レーザ光を内部集光させた場合の結晶欠陥の解析から転位形状,高圧層の分布から加わった温度・応力の分布を可能な範囲で示し,アモルファス相,高弾性歪結晶相,結晶すべりを伴う永久歪み相,ボイドならびにクラック域を評価しそれらの相互の挙動を明らかにする.これらからイオン注入およびレーザ加熱による欠陥形成とその後の2次的加熱時の動的挙動から相互作用による振る舞いについて整理する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初導入予定の機器の供給が困難となり導入方法と時期を変更したため. 次年度配分額と会わせ利用する予定.
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