研究課題/領域番号 |
22K04794
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大出 真知子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, 主任研究員 (50370309)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | フェーズフィールド法 / PyCalphad / OpenCalphad / 凝固解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、計算材料科学を専門としない研究者や技術者が容易に利用できるフェーズフィールド法ソフトウェア作成・公開を目的とする。 ユーザービリティの向上のためには、モデルの物理的な妥当性と実用性を考慮しつつ、ユーザーの選択肢を最小限に抑えたソフトウェア設計が最重要である。また高額な有償ライブラリーの購入を前提とするソフトウェアはユーザーの利用障壁を上げるため、使用ライブラリーはオープンソースに限定する。ここでソフトウエアの実用性は、NIMSが公開している計算状態図DB(TDBファイル)を利用可能とすることで向上させる。 本年度は1.TDBファイルを利活用するためのライブラリーの評価、2.α版アプリの試作を行った。1の候補ライブラリにはOpenCalphad(Fortran)、PyCalphad(Python)がある。評価はNIMS計算状態図データベース(CPDDB)で公開されているFe-C系のTDBファイルを使用し、それぞれのライブラリパッケージを利用して、液相、BCC相、FCC相の3相の自由エネルギー計算を行うプログラムを作成し計算速度・精度を比較した。計算速度、計算精度ともにOpenCalphadが優れていたものの、OpenPhaseはフェーズフィールド計算に必須の関数計算値の利用に困難さがあること、PythonにはGUI作成の容易性で利があることから2.のα版作成にはPyCalphadを採用した。2.について、Python-eelライブラリを用いてGUIを実装し、事例研究としてCu-Ni系、Cu-Ni-Si系の一次元凝固偏析計算をおこなうアプリケーションを作成し、学会にて成果の公表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の見込み通り、おおむね順調に進展しています。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、計算材料科学を専門としない研究者や技術者が容易に利用できるフェーズフィールド法ソフトウェア作成・公開を目的とする。 NIMS状態図DB、CPDDBには500以上DBが公開されている。本年度は昨年度作成したα版が、鉄鋼材料を除く主要な実用合金の基本形のDBを使用可能となるよう研究を進める。すでにいくつかの系についてpycalphadに対応していないTDBファイルが確認されているため、DBのインタープリタの作成等を検討しα版の汎用性拡張を狙う。 また実験研究者に試用を依頼し使用感についての意見をもとに改修を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究費で雇用していた研究業務員が急遽退職することになり、さらに代替要員が雇用できなかったため。
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