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2024 年度 実績報告書

水面上単分子膜の1次相転移過程における空間スケールでの階層間相関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K04853
研究機関北海道大学

研究代表者

八田 英嗣  北海道大学, 情報科学研究院, 助教 (90238022)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード水面上単分子膜 / 相転移 / サイズ階層性 / ブリュースター角顕微鏡 / ドメイン / ナノクラスター / 等温線 / 熱統計力学
研究実績の概要

最終年度はDMPC水面上単分子膜の1次相転移過程を異なる温度でのπ-A曲線データの取得を行うと同時にブリュースター角顕微鏡による単分子膜ドメインの観察を行った。π―A曲線データに対して熱統計力学的手法を用いることにより平均ナノクラスターサイズの表面圧依存性の評価を行った。その結果、高温では相転移中間点でのナノクラスターサイズが大きく増加することが分かった。一方、ドメインサイズ・形状観察の結果、低温において数ミクロン程度の円形状ドメインが形成し、ドメイン融合により細長いドメインへの形状変化が生じ、高温では円形ドメインは観察されず相転移領域に入った直後にすでに水面上の広い領域にわたり不均一テクスチャが観察された。上記、ドメインサイズ・形状の温度依存性はナノクラスターサイズから評価される線張力の温度依存性から理解された。
補助事業期間全体を通じた研究成果としてはDMPCに加えミリスチン酸についてもπ―A曲線データとドメイン画像の同時取得を行い、上記解析手法を用いることにより水面上単分子膜の1次相転移過程におけるナノスケールとミクロンスケールという異なる空間スケール間でのサイズ階層相関に関する知見を得る試みを行った。ミリスチン酸単分子膜では異なる温度での1次相転移に伴い、π―A曲線データの変化とともに特徴的なドメインサイズ、形状、さらにはテクスチャ構造依存性が見いだされた。これらのミクロンサイズスケールにおけるドメインの特徴はπ―A曲線データの熱統計力学的解析により得られたナノクラスター曲線を用いることにより見積もられる異なる温度間での線張力比を用いることにより理解されることが明らかになった。以上の過程を通して、水面上単分子膜における1次相転移過程をナノ、ミクロンサイズという異なる空間スケール間での相関、階層的な秩序形成という新たな視点から理解するための手法を確立することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ミリスチン酸水面上単分子膜の2相共存領域における異なるサイズスケール間での階層的構造成長2024

    • 著者名/発表者名
      八田 英嗣、末岡 和久
    • 学会等名
      第75回コロイドおよび界面化学討論会
  • [学会発表] Hierarchical and heterogeneous growth in the two-phase coexistence region of myristic acid Langmuir monolayers2024

    • 著者名/発表者名
      Eiji Hatta
    • 学会等名
      12th Liquid Matter Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] ミリスチン酸ラングミュア膜の2相共存領域における異なるサイズ階層間での成長相関2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 八雲、八田 英嗣、末岡 和久、アグス スバギョ
    • 学会等名
      第85回応用物理学会秋季学術講演会
  • [学会発表] ミリスチン酸水面上単分子膜の 2 相共存領域における線張力と成長階層性2024

    • 著者名/発表者名
      八田 英嗣
    • 学会等名
      第72回レオロジー討論会

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公開日: 2025-12-26  

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