研究課題/領域番号 |
22K04878
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
新倉 謙一 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (40360896)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クラウンエーテル / タンニン酸 |
研究実績の概要 |
本研究はタンニン酸誘導体と低分子からなる粒子を作製し、ワクチン粒子への応用を目指している。ワクチンとして抗原タンパク質だけを接種するよりも、天然のウイルスのように抗原を粒子上で複数配列させることで抗体産生を強く誘起し、さらに活性化経路の制御も可能になることが知られてきた。しかし、抗体が産生されても中和抗体でないことや、粒子による不用意な免疫応答が課題となっている。これは、金属粒子や結晶性高分子のような硬い材料に吸着した抗原タンパク質の変性がおきやすいことや、粒子上での抗原分解が進まないことが原因として考えられる。そこで本研究では、細胞内で分解しやすいことを目的とした、低分子を組み合せたワクチン粒子の作製を目指した。2022年度はクラウンエーテルとポリフェノールが特異的な相互作用により安定な粒子を形成することを見出した。クラウンエーテルは環状オリゴエチレングリコールの低分子化合物であるが、同程度の分子量の直鎖状オリゴエチレングリコールに比べてポリフェノールとの相互作用が強いことがわかった。相互作用することで、溶液が白濁するため検出も容易である。クラウンエーテルは金属イオンなどカチオンに対しての特異的相互作用が古くから知られているが、ポリフェノールと水中で結合しうるという今回の知見をもとに、形成された粒子の特性を中心に調べた。電子顕微鏡により数百ナノメートルの球状粒子が多数観察され、その粒子が水溶液中で凝集することなく長時間分散することも光散乱測定から確認できた。またどのようなクラウンエーテルとの相互作用が強いのかについても調査し、分子構造の特異性についても明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クラウンエーテルとポリフェノールが特異的な相互作用を見出すことができ、粒子形成が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
生体内環境における粒子の安定性についてさらに調べるとともに、粒子形成まで初年度進んだので、抗原タンパク質・ペプチドの固定化を中心に進める。また粒子の分解性についても調べていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は旅費を使わなかったため予算の残額が生じた。2023年度は論文投稿が出来そうなのでその経費に充てたい。
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