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2023 年度 実施状況報告書

その場/オペランドSTMによるグラフェンバイオセンサの検出限界経時変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K04883
研究機関八戸工業高等専門学校

研究代表者

角館 俊行  八戸工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50908275)

研究分担者 中村 嘉孝  八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00290685)
中村 美道  八戸工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40725826)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード走査トンネル顕微鏡 / STM / グラフェン / その場観察 / オペランド計測 / 電子構造 / 吸着構造 / センサ
研究実績の概要

本研究では、グラフェンFETバイオセンサの特性向上を目的とし、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いたその場/オペランド計測により、従来困難であった、グラフェンバイオセンサの実際の表面のリアルタイム分析を単分子レベルで行う。
今年度は、その場/オペランド計測をデバイスの実動作環境に近い室温で行うために必要なSTMシステムの改良を、電気電子回路の製作とデバイス観察用光学系の構築を中心に行った。具体的には、STM観察中にFETバイオセンサのソース・ドレイン・ゲートの各電極に独立して所望の電圧を印可できるように、真空チャンバーの内部に新たな配線を施すと共にチャンバー外に定電圧源や微小電流測定器等を設置した。また、STM探針をセンサのチャネル領域などの所望の位置に移動できるように、試料観察用長焦点顕微鏡と顕微鏡の焦点調整機構・位置調整機構を設置・構築した。その後、改良したSTMシステムの動作確認として、二硫化モリブデンFETのSTM観察を試みた。その結果、FET試料の各電極に所望の電圧を印可しながら、STM観察を行うことができた。以上のように、グラフェンFETバイオセンサのその場/オペランドSTM計測に向け、装置の開発・改良が順調に進んだ。
また、STMシステムの改良だけでなく、グラフェンバイオセンサの特性向上に向け、グラフェンと六方晶窒化ホウ素のヘテロ構造の作製とその最適化を研究分担者と進めた。さらに、今後は上記STMシステムを用いて、様々な試料の観察が期待できることから、本研究のさらなる発展に向けて機能性分子を用いた新規ナノ構造の作製と構造・物性の評価も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

FET試料の各電極に所望の電圧を印可しながらのSTM観察が可能となり、グラフェンFETバイオセンサのその場/オペランドSTM計測に向け、装置の開発・改良が順調に進んだ。
昨年度は新規試料ホルダ・探針ホルダの開発を行い、また、今年度は真空チャンバー内部への電圧印可用配線の増設、試料観察用顕微鏡と顕微鏡の焦点調整機構・位置調整機構を設置・構築するなど、STMシステムの改良が順調に進展しているので。

今後の研究の推進方策

改良したSTMシステムを用いて、FET試料表面等の実際のデバイス表面の観察を行う。
また、デバイスの特性向上に向け進めている、グラフェン、六方晶窒化ホウ素などの二次元材料の結晶成長技術・転写技術の開発と最適化をより円滑に推進するために、二次元材料のSTM観察も引き続き行う。機能性分子を用いた新規ナノ構造の作製とSTM観察も試みる。

次年度使用額が生じた理由

装置の改良が順調に進み、真空装置内の配線追加や顕微鏡の位置調整機構などに必要な部品や部材の数が、当初の想定よりも少なく済んだので。次年度使用額は、FET試料の作製に必要な基板や薬品、STM探針の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ペンタセン・セキシチオフェン共蒸着膜の構造と多形現象2023

    • 著者名/発表者名
      母良田友, 竹内雄賀, 工藤温紀, 佐藤龍斗, 藤崎聡美, 鎌田貴晴, 中村嘉孝, 渡辺剛, 吉本則之, 角館俊行
    • 学会等名
      応用物理学会東北支部 第78回学術講演会
  • [学会発表] ペンタセンとセキシチオフェンの共蒸着膜の結晶構造評価2023

    • 著者名/発表者名
      竹内雄賀, 吉本則之, 藤崎聡美, 母良田友, 工藤温紀, 渡辺剛, 角館俊行
    • 学会等名
      第84回応用物理学会秋季学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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