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2022 年度 実施状況報告書

拡張ハイゼンベルグモデルによるスピンゆらぎ方程式の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K04909
研究機関鳥取大学

研究代表者

小谷 岳生  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60283826)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードQSGW法 / 磁気応答 / 有効ハミルトニアン / 線形応答 / 並列化 / ecalj
研究実績の概要

研究計画③QSGW法による基底状態決定手法を効率化、に従い計算を遂行するためのecaljパッケージを安定的効率的に作動するように改良した。プログラムの内の旧形式で書かれており混乱した部分(入出力部分など)についてかなりの書き換えを行い、モジュール化することで単純化したコード体系に修正した。これは、次の研究ステップの高度並列化やスピンゆらぎコードの開発を支えるために必須の事項である。その成果はギットハブhttps://github.com/tkotani/ecaljにおいて公開している。そして、この改良されたecaljに実装されたQSGW法を用い、大阪大学佐藤和則研究室(4f電子系)、金沢大学小田竜樹研究室(磁気記憶材料)、立命館大学渡辺洋氏(Cu系超伝導体)との共同研究を行い出版した。結果、おおむね従来の実験結果をよく再現することができた。これは標準的な第一原理計算の手法では期待できないものである。
その他、未出版であるが、阪大佐藤和則研究室と協力しmaterial projectデータベース上の1000個程度の物質群に対しQSGW法の一括適用を可能にし、QSGW法の汎用性を確認することができた。また、今後の計算のための基礎的資料として、結晶データベース(crystal open database)を用いボンド長の統計解析を行い論文としてまとめ出版した。また④局在基底の構成法、に関しても理論式から見直しを進め数値的な確認を行いつつ、理論的な枠組みについての見通しを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この研究計画の主題は、QSGW法をもとにして基底状態を決めた上で、交換相互作用を記述するハイゼンベルグパラメーターJの時間依存性を汎用的に取り扱える手法を構築し結果を示すことである。研究計画の一年目は、そのための準備段階としてとらえ、基礎的な手法の改良、コードの改良を軸に研究を行った。煩雑であった部分を単純化するなど、当初想定できている程度には行えている。また同時に、共同研究を通じて、その改良を成果として示すことができている。

今後の研究の推進方策

今年度前半は④局在基底の構成法、について着手し、後半ではスピン揺らきの手法に着手する予定である。すでに組み込まれている従来の手法を活用できるはずであり、本質的な困難はないと考えている。また計算効率化という点においては、QSGW法の高度な並列化を共同研究により行っていく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] First-principles method justifying the Dieke diagram and beyond2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Katsuhiro、Kotani Takao、Sato Kazunori
    • 雑誌名

      Physical Review Research

      巻: 5 ページ: 013111~013111

    • DOI

      10.1103/PhysRevResearch.5.013111

  • [雑誌論文] Intrinsic instability to martensite phases in ferromagnetic shape memory alloy2023

    • 著者名/発表者名
      Obata Masao、Kotani Takao、Oda Tatsuki
    • 雑誌名

      Physical Review Materials

      巻: 7 ページ: 024413~024413

    • DOI

      10.1103/PhysRevMaterials.7.024413

  • [雑誌論文] Monte Carlo study of cuprate superconductors in a four-band dp model: role of orbital degrees of freedom2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Hiroshi、Shirakawa Tomonori、Seki Kazuhiro、Sakakibara Hirofumi、Kotani Takao、Ikeda Hiroaki、Yunoki Seiji
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Condensed Matter

      巻: 35 ページ: 195601~195601

    • DOI

      10.1088/1361-648X/acc0bf

  • [雑誌論文] Bond-length distributions in ionically bonded materials with decomposition by coordination environment2022

    • 著者名/発表者名
      Sawada Motonari、Iwamoto Ryoga、Kotani Takao、Sakakibara Hirofumi
    • 雑誌名

      Journal of Applied Crystallography

      巻: 55 ページ: 1359~1367

    • DOI

      10.1107/S1600576722006884

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公開日: 2023-12-25  

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