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2023 年度 実施状況報告書

反射型軟X線吸収分光法によるマルチスケール三次元磁気イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 22K04920
研究機関群馬大学

研究代表者

鈴木 真粧子 (酒巻)  群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90598880)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード磁気イメージング / XMCD / 反射率 / 軟X線
研究実績の概要

本研究の目的は,微小領域におけるスピンの空間分布および化学結合状態の空間分布をその場観察するため,反射型軟X線吸収分光 (XAS) 法を用いたマルチスケール三次元磁気イメージング法を開発することである。2022年度は「反射型XAS磁気イメージングとスペクトル解析法の開発」を実施した。テスト試料としてCoマイクロ細線を作製した。ピンホールで2μmに絞った軟X線ビームを試料表面に照射し,反射像を軟X線カメラに投影しイメージ画像を得た。同時にCoL吸収端付近で軟X線エネルギーを掃引し,反射型XASスペクトルを得た。さらに円偏光軟X線を用い,反射型XASの左右円偏光応答の差分を得ることで,Coマイクロ細線の反射型X線磁気円二色性(XMCD)スペクトルと二次元磁気マッピングを得た。一方で反射型XAS/XMCDスペクトルをシミュレーションするためには,吸収端での異常散乱を考慮して光学定数を導出する必要がある。そこでKramers-Kronigの関係式から光学定数を導出し,導出した光学定数から多重反射を計算することで,適当な深さ分布モデルを得る一連のシミュレーションプログラムを作製した。2023年度はCoマイクロ細線の三次元的な磁気マッピングを得るため,試料を面内方向に90度回転させた測定配置で実験解析を行った。さらにスペクトルの類似度解析を行い,磁気マッピングの信頼性を評価した。シミュレーションによる磁化の深さ分析も併せて評価を行なった結果,Coマイクロ細線の三次元的な磁化分布の描像が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度までに反射型XAS磁気イメージング実験とスペクトル解析法の開発を実施し,それぞれ成果が得られた。ピンホール調整に時間がかかり,マルチスケール観察には至らなかったが,Coマイクロ細線の三次元観察の基礎データが得られ,学会での報告もできたことからおおむね順調と考える。

今後の研究の推進方策

2024年度はステージ類の調整とこれまでの結果の総括と報告に注力する。

次年度使用額が生じた理由

ステージ類の価格が高騰しており,ロータリーステージについて新規の購入を見送った。既存のステージ類の使用を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Magnetic imaging of Co microwires with soft x-ray reflection spectroscopy2023

    • 著者名/発表者名
      M. Suzuki-Sakamaki, K. Miyazawa and K. Amemiya
    • 学会等名
      Laser and Synchrotron Radiation Combination Experiment (LSC) 2023(国際学会)
    • 国際学会
  • [学会発表] 軟X線反射率を用いた磁性材料の表面イメージング法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 真粧子,宮澤 海都,雨宮 健太
    • 学会等名
      Optics & Photonics Japan 2023
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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