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2023 年度 実施状況報告書

極低温ブレークジャンクションによる熱および電子の輸送現象量子化の観測

研究課題

研究課題/領域番号 22K04922
研究機関金沢大学

研究代表者

辻井 宏之  金沢大学, 学校教育系, 教授 (10392036)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードナノコンタクト / 破断接合 / 量子化コンダクタンス / 熱伝導度 / 低温物性
研究実績の概要

ブレークジャンクションは、基板を機械的に変形させることによって基板上に設置した金属細線を破断するとともに、破断された細線間の距離をナノスケール以下の精度でコントロールする実験方法で、量子ポイントコンタクトやナノワイヤーなどの微小接合における電気伝導度の研究に用いられている。本研究では、試料サイズをバルクからナノサイズまで精密に制御できるブレークジャンクションを用いて、単原子接合における電気伝導度と熱伝導度の量子化の同時観測による原子の電子軌道と熱伝達の関係を解明や、接合部の精密温度制御による超伝導ナノ接合における熱および電気の伝導現象の探索を通して、金属単原子鎖や超伝導ナノ接合の低温量子伝導現象の新たな知見を深めることを目的とする。
今年度は、これまでに設計や必要部品の調達を行ってきた新しい活性吸着ポンプ式ヘリウム冷凍機の開発を進めた。冷却・昇温や試料となる金属細線の取替えが短時間で可能となる工夫を施して、吸着ポンプ部分にはチャコールを詰めた容器を室温部と低温部の間で移動させる構造として作製している。液体窒素温度での吸着性能のテストなどを行い、小さな空間でも温度制御に利用できることを確認した。またこれと並行して、ジャンクションの熱伝導測定のための温度計の校正を行った。微小空間で温度測定を行うため、ベアチップの抵抗温度センサーを用意し、微細なリード線の取り付けを行い温度計を完成させた。同時に進めている現有の冷凍機の改造も進んでおり、温度制御したナノジャンクションの低温量子伝導現象の探索の準備が整いつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新しい冷凍機の開発において、金属加工した部品の組み立て時の微調整に難航したことなどによりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

現有冷凍機を用いてナノジャンクションの温度依存性や熱伝導度の測定に取り掛かる。より低温用の新しい冷凍機の開発を進めて、超伝導ナノジャンクションの電気伝導度や熱伝導度に現れる量子現象を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会に不参加になるなど旅費に残額が生じ、有効利用し物品費として使用したが未使用分が残った。次年度の購入予定物品と合わせて計画的に使用し実験を行う予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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