研究課題/領域番号 |
22K04929
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
小林 成貴 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40595998)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 固液界面 / 水和構造 / 水素結合 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、垂直力と水平力を高感度で同時に検出できる液中周波数変調原子間力顕微鏡を用いて、水和構造とその物性を原子スケールで計測する手法を開発することを目的としている。水平力を検出するためには、カンチレバーをねじれ方向に振動させるが、今年度はまず、その振動振幅と原子分解能像のコントラストの関係について調べた。その結果、振動振幅が100pm~10pmの間に最適値が存在する傾向が得られた。その結果をもとに、カルサイト表面-水界面で、垂直力と水平力の3次元力分布計測を行い、水和構造の可視化を試みた。垂直力の3次元力分布像には、既報と同じく、カルシウムイオン上に局在している水和水分子を表す輝点が観察された。同時に取得した水平力の3次元力分布像には、水和水分子の局在位置の両端で輝点が観察されたことから、探針側面と水和水分子の相互作用を可視化しているのではないかと考えられる。また、マイカでも同様の結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、水平力の力検出感度が最適となるねじれ振動振幅値を見出し、3次元水和構造計測による水和構造の可視化に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、高共振カンチレバーを用いてねじれ共振周波数をより高くすることで、力検出感度をさらに向上させる。そのために必要なカンチレバー変位検出計を作製する。また、水和水分子間の水素結合ネットワークを増強させるようなイオンなどを含む溶液中で観察し、水和構造の物性計測が可能かどうか検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題で必要な物品の一部について、他の研究課題と重複するものがあり、今年度は他の研究課題の研究費でまかなったため。次年度に使用する分の物品は本研究費でまかなう。また、今年度購入予定の物品の入荷が予定よりも遅れたため、次年度に購入することとなった。
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