研究課題/領域番号 |
22K04943
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小野 満里絵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (80883090)
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研究分担者 |
古市 紀之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (10334921)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乱流 / 高レイノルズ数 / LDV / スケーリング則 |
研究実績の概要 |
R5年度は,昨年度の口径100 mm配管における3方向速度成分の乱流強度分布の計測結果をもとに,更に解析を進め,管内における3方向の乱流強度の総和であるバルクTKE(Turbulent Kinetic Energy)のレイノルズ数依存性について調査した.その結果,バルクTKEが流れ方向やスパン方向成分の乱流強度分布における内層ピークと同様,レイノルズ数依存的に増大することを確認した.増大の傾向は対数則および漸近則両方に従う傾向を示した.バルクTKEは3方向成分を壁面近傍から管中心まで計測する必要があることからこれまでそのレイノルズ数依存性が報告されておらず,本研究によってその挙動を初めて明らかにした.現在バルクTKEと管摩擦係数の関係性についても調査しており,バルクTKEのスケーリング則という観点から管摩擦のスケーリング則についても新たな知見を得ることを期待している.これらの成果についてはR5年度に国際学会にて2件と国際誌1件の発表を行った.また,水中でのLDV校正装置に関しては現在,ドイツPTB(Physikalisch-Technische Bundesanstalt)とディスカッションを進めており,アクリル製の小型回転円盤等を用いて実流動場で校正を行うシステムの構築を考えている.大口径(389 mm)における種々の乱流統計量の計測に関しては,流れ方向の平均速度や乱流強度の取得を行った.しかしながら,大口径に関しては,小口径と比較すると,同じレイノルズ数でも流速が遅く,また,計測点までの距離が長くなるためにビーム強度が低下する等の理由から,サンプリング周波数が小さく統計的に十分なデータが得られなかった.今後,ビームの強度をあげる等の計測上の改善を行い再度計測を試みる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はこれまで報告がなされていないバルクTKEのスケーリング則について明らかにし,国際学会および国際誌における論文の発表までに至った.実流動場におけるLDVの校正装置の開発と大口径での計測に関しては完遂できていないものの,現状の課題について明らかにすることができた.このような観点から,当研究はおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
R6年度においては引き続き実流動場(水中)での校正を行う装置の開発に取り掛かる. また,大口径配管における計測ではサンプリング周波数の課題が明らかになったため,ビームの強度やトレーサー粒子の変更などを視野に入れて再計測を試みる.また,バルクTKEと管摩擦係数の関係性についても調査し,LDVによって得られた乱流統計量と圧力計測から求めた管摩擦係数という異なる計測に基づく物理量から乱流の普遍性について明らかにする予定である. 最終的には,得られた結果をデータベースとして公開することを予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入の前に,現状の装置設備における課題等を洗い出し,検討を行っていたため.
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