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2022 年度 実施状況報告書

ワイヤグリッドを用いた二重共鳴微小共振器によるTHz第二高調波の高強度発生

研究課題

研究課題/領域番号 22K04968
研究機関香川大学

研究代表者

鶴町 徳昭  香川大学, 創造工学部, 教授 (50372719)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードメタマテリアル / 第二高調波発生 / テラヘルツ波 / 微小共振器 / ワイヤグリッド / L字構造
研究実績の概要

本研究の目的は,2次の非線形性を有するメタマテリアルを含む二重共鳴微小共振器を用いたTHz波のSHGの実現,及び2次の非線形分極と微小共振器中の光の強結合の観測である.今年度は,まず2次の非線形性を示すメタマテリアルの候補として,可視域においてSHGの実績があるL字型メタマテリアルの検討を行った.これは金属細線(カットワイヤ)を直交させた構造となっており,2つの振動子が結合したBorn-Khunモデルで解析することができる.この構造に対してFDTD解析を行い,直線偏光二色性および円偏光二色性が発現することを確認した.また,実際にテラヘルツ帯で応答するL字型メタマテリアルをフォトリソグラフィー法およびリフトオフプロセスにより作製し,THz時間領域分光法により透過測定した.その結果,ほぼ設計通りの試料の作製に成功した.測定結果よりカットワイヤの結合に起因した2つの共鳴の存在が確認できた.
次に二重共鳴微小共振器の鏡として機能する直交WG構造の解析を行った.その結果,この構造においては基本波とSH波の閉じ込めが可能であるのみならず,利き手保存鏡として機能することを見出した.これは通常の鏡では不可能な,反射における円偏光のヘリシティ保存が可能な構造であり,本研究の目的以外にも非常に有用であることが分かった.
さらに光学測定の準備として,モード同期フェムト秒レーザー発振器,およびフェムト秒再生増幅システムを光源とするTHz時間分解分光系の構築に着手した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試料作製に関しては,ほぼ予定通り進捗しているが,昨年度レーザー装置の不調が続き,その対応のために光学測定系の構築が少し遅れた.

今後の研究の推進方策

まず試料作製に関しては,L字型構造におけるSHGの理論解析を進めるとともに,最適な試料作製を行う.また,直交WG構造を実際に作製し,二重共鳴微小共振器としての動作確認を行う.
光学測定に関しては,フェムト秒再生増幅器をベースとしたTHz時間領域分光系を構築し,できるだけ高いTHz電場強度を実現するとともに,メタマテリアルからのSHG実験に着手する.

次年度使用額が生じた理由

光源となるレーザーの不調のため,光学系の構築が遅れたため,そのための光学部品の購入を控えたこと,および試験的測定のための試験的な試料の作製が予定より少なかったことが理由である.次年度は光学系を早急に整備し,試験測定をできるだけ多く行っていきたい.

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公開日: 2023-12-25  

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