• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

天然ガスハイドレートの低温貯蔵における岩盤タンクの挙動評価技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K05004
研究機関愛媛大学

研究代表者

木下 尚樹  愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (30263958)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード天然ガスハイドレート / 岩盤タンク / 岩石亀裂 / 物質移行特性 / トレーサー試験
研究実績の概要

天然ガスハイドレート岩盤タンク周辺を構成する岩盤および岩盤亀裂中の物質移行特性(物質移行開口幅,分散長など)を適切に評価する必要があり,それら岩石や岩盤の物質移行特性はトレーサー試験により評価される.トレーサー試験は,トレーサー物質を含む溶液を供試体に通水し,排出された溶液中のトレーサー濃度の経時変化(破過曲線)と理論曲線のフィッティングにより供試体の物質移行特性を得る試験である.ここでは,自然の地下水流動条件に近い流速下における岩盤亀裂内の物質移行特性の評価を目的として数μL/min以下の極微小流量で試験可能な室内トレーサー試験装置を開発し,ダミー供試体と単一亀裂を有する花崗岩供試体を用いた試験によりその有用性を検証した.装置には,応力・温度条件の異なる環境下での試験も念頭に,既往の三軸セルを用いた.また,低流量下でのトレーサー試験で課題となる配管内での滞留を抑制するため,フラッシング機構を採用した.開発した装置を用いて,ダミー供試体と単一亀裂を有する花崗岩供試体を用いた試験によりその有用性を検証した.
実験検証の結果,流量制御や温度制御精度の向上などの課題が明らかになったものの,今回開発したトレーサー試験装置を用いることで,極低流量条件下でのトレーサー試験の実施が可能であることがわかった.今後は,より高精度の試験データの取得を目的としてさらなる試験装置の改良を行うとともに,種々の応力・温度条件下でのトレーサー試験に本装置を活用し,天然バリアの物質移行特性の評価を行なう.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,自然の地下水流動条件に近い流速下における岩盤亀裂内の物質移行特性の評価を目的として数μL/min以下の極微小流量で試験可能な室内トレーサー試験装置を開発し,ダミー供試体と単一亀裂を有する花崗岩供試体を用いた試験によりその有用性を検証した.研究の進捗は概ね計画通りであり,目的にあった成果も得られている。

今後の研究の推進方策

本年度は,岩石亀裂内の物質移行特性評価を目的として,極低流量のトレーサー注入が可能でかつフラッシング機構を有する室内トレーサー試験装置を開発し,ダミー供試体と岩石供試体を用いた試験の実施によりその有用性を検証した.実験検証の結果,流量制御や温度制御精度の向上などの課題が明らかになったものの,今回開発したトレーサー試験装置を用いることで,極低流量条件下でのトレーサー試験の実施が可能である事が分かった.
より高精度の試験データの取得を目的としてさらなる試験装置の改良を行うとともに,種々の応力・温度条件下でのトレーサー試験に本装置を活用し,天然バリアの物質移行特性の評価を行なう.

次年度使用額が生じた理由

概ね計画通り進捗状況であったが,実験装置開発の第1段階では想定された費用よりも低い金額で開発ができた。ただし,成果報告でも記載の通り,次の段階で実験装置の改良が必要であり,それらの費用が必要となることから,助成金額は使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 岩石亀裂内の物質移行特性評価を目的とした極微小流量トレーサー試験装置の開発2024

    • 著者名/発表者名
      東 辰之介・木下 尚樹・下茂 道人・安原 英明
    • 学会等名
      土木学会第50回岩盤力学に関するシンポジウム講演集

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi