研究課題/領域番号 |
22K05008
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
太田 靖之 宮崎大学, 工学部, 准教授 (10518450)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 集光型太陽電池 / P2Gシステム |
研究実績の概要 |
既存メタネーション装置に、水素・二酸化炭素混合ガス導入路を追加で設置した。メタネーション装置は、2段の反応管により構成される。反応管それぞれに二酸化炭素流量を制御するマスフローコントローラー(前段の反応管のマスフローコントローラーをMFC1、後段の反応管のマスフローコントローラーをMFC2)を設置し、二酸化炭素供給量を制御した。MFC1およびMFC2の二酸化炭素供給比率を段階的に変更した場合のそれぞれの反応管温度を評価した。供給比率は、MFC1:MFC2=1.0:0.0(従来構成と同等)、0.9:0.1、0.8:0.2、0.7:0.3、0.6:0.4とし、全二酸化炭素供給量は水素供給量から化学量論組成をもとに制御した。供給比率1.0:0.0では、前段の反応管での反応が十分に行われ、その反応熱により反応管温度が設定値よりも上昇した。その後、供給比率を変更することにより、反応熱が減少し、前段の反応管温度が設定温度(260℃)に安定した。後段の反応管温度は設定温度から変化することはなかった。それぞれの供給比率における反応管の過熱に必要な消費電力を評価した。供給比率1.0:0.0および0.9:0.1では、前段の反応管でのメタネーション反応が十分でその反応熱により、過熱に必要な電力は必要なかった。MFC1の供給量を0.8、0.7、0.6と減少することで反応熱が減少し、前段の反応管温度を維持するための電力が増加した。後段の反応管では、供給比率を変化する(反応管2での反応量を増加させる)ことで、後段の反応管での消費電力が減少した。以上のことから、今回導入した混合ガス導入経路を用いることで、各反応管での消費電力が変化することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存メタネーション装置に新たに水素・二酸化炭素混合ガス導入路を追加で設置し、二酸化炭素供給量比の影響について明らかにした。また、メタネーションに必要な水素生成のために、シリコン太陽電池から直接水電解装置に電力を供給するDCDCコンバータの導入を進めている。 以上のように、計画通りに研究が遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
シリコン太陽電池の発電電力による水素生成およびメタン合成の屋外実験を行う。シリコン太陽電池は、集光型太陽電池と比べ変換効率は低下するものの、天候の変化による著しい発電量低下は少なく継続して発電を行うことができる。そのような水素生成条件におけるメタン合成量およびメタン合成に必要な消費電力量を明らかにする。また、それらをもとに、蓄電池による電力供給を含めたメタネーションシステムの最適化設計を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内出張の中止およびシステムの再設計により差額が生じた。生じた差額は、必要な消耗品の購入による研究の加速および研究成果発表のための論文投稿料として使用する。
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