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2023 年度 実施状況報告書

衛星熱画像を活用した次世代型地中熱源ヒートポンプの適地評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K05012
研究機関埼玉県環境科学国際センター

研究代表者

濱元 栄起  埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 主任研究員 (40511978)

研究分担者 宮越 昭暢  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30392666)
宮下 雄次  神奈川県温泉地学研究所, 研究課, 専門研究員 (40416079)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード地中熱利用システム / 地中利用ヒートポンプ / ドローン熱画像 / 再生可能エネルギー / 地中熱エネルギー / 地域熱供給 / 熱の面的利用 / 熱導管深度
研究実績の概要

【研究背景と目的】
地球温暖化やエネルギー問題に対応するために再生可能エネルギーへの転換が求められている。地中熱システムは、コスト面での課題となっており、これを解決するひとつの方法として、複数の用途の異なる施設間で熱交換井を共有して活用する「地中熱の面的利用」が注目されている。その際に、施設間を結ぶ熱導管の埋設深度は、地表面温度の変動の影響が小さい深い深度に設置することが望ましい。このような評価方法を確立し、社会に発信することで社会実装に役立てることができる。
【研究方法】
熱導管の埋設深度を評価する直接的な方法は、土壌中の温度を深度別に測定することである。ただし、この方法では、多地点で1年以上の長期間測定することは困難である。そこで、本研究では地表面における温度をモニタリングし、熱輸送方程式を用いて深度別の温度を推定する。ただし地表面における温度測定も、多地点で長期間測定することは難しい。そこで、本研究では衛星による熱画像を解析し、地下温度変動を推定し、熱導管の最適深度を評価する方法を新たに提案する。この衛星熱画像は1㎞程度の低分解能であることから、地表面の実測データやドローンを活用した高分解能な熱画像も活用し、評価手法を検討するものとする。
【本年度の研究成果】
本年度も、昨年度に引き続き8月に高解像度の赤外画像を得るためにドローンを活用した調査を行った。対象地域は埼玉県環境科学国際センターの生態園の敷地である。さらに、本年度は衛星画像データやドローン画像によって得られた時系列の画像データからピクセルごとの温度を抽出し、地下温度の時間変化を計算するプログラム(Python3)を作成した。このプログラムは対象深度における年間の最低温度や最高温度を知ることができ、面的利用における熱導管深度の評価に役立てられる。さらにこれらの検証データとなる地下温度の実測を複数地点実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

野外調査(ドローン熱画像)や浅層土壌温度モニタリングなど継続を実施し順調である。また、解析面においても地下温度の季節変動を推定するプログラムを新たに作成することができ、解析面でも順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本年度は、土壌温度モニタリング(埼玉県、神奈川県)の3年間の長期データのとりまとめと、衛星熱画像等から得られる地表面温度の時系列データとの比較を行う。さらに衛星熱画像とドローン熱画像の比較を行い、観測手法や解像度の違いを明らかにする。2年目に作成した地下温度推定プログラムを実測データに適用し、地下温度変動の最低温度や最高温度から面的利用における熱導管深度の評価手法を確立する。また、広域的な地下温度検層結果をとりまとめ、地域ごとの地温勾配による評価への影響について検討する。

次年度使用額が生じた理由

衛星画像データとドローンの熱画像の取得を最終年度まで実施することとした。この理由はできるだけ長期間の時系列データを利用して解析するほうが高い精度で評価でき研究上も高い成果がでるためと判断した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] (論文)地理情報システムを活用した地中熱利用システム普及のための総合的検討2023

    • 著者名/発表者名
      濱元栄起,伊藤浩子,鍵本司,春日井麻里,神谷浩二,高井敦史,宮田修志,森川俊英,吉岡真弓,内田洋平
    • 雑誌名

      Kansai Geo-Symposium 2023論文集

      巻: 1-3 ページ: 16-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] (報告)大阪平野における農業分野での地中熱利用の実態調査2023

    • 著者名/発表者名
      宮田修志,小梶登志明,神谷浩二,濱元栄起,伊藤浩子
    • 雑誌名

      Kansai Geo-Symposium 2023論文集

      巻: 1-4 ページ: 22-26

  • [学会発表] 孔井内における熱伝導率原位置測定方法の開発(数値計算による検証)2023

    • 著者名/発表者名
      濱元栄起,石山高
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年連合大会
  • [学会発表] パッカー式有効熱伝導率測定方法の開発(数値計算による検証)2023

    • 著者名/発表者名
      濱元栄起,石山高
    • 学会等名
      日本地熱学会令和5年学術講演会
  • [学会発表] Evaluation of groundwater environment changes due to urbanization in the Tokyo metropolitan area, Japan: Application of integrated subsurface temperature observation by utilizing groundwater observation wells network2023

    • 著者名/発表者名
      Miyakoshi A., T. Hayashi, H. Hamamoto, S. Hachinohe
    • 学会等名
      50th IAH 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 首都圏の地下温度長期観測に認められた地下温暖化 -地下水開発地域における地下熱環境変化の支配要因2023

    • 著者名/発表者名
      宮越昭暢, 林武司, 濱元栄起, 八戸昭一
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年連合大会
  • [学会発表] 極小微動アレイ探査による地下水位測定手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      宮下雄次, 濱元栄起, 先名重樹
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年連合大会
  • [学会発表] 季節ごとの変化特性から見た1m深地温長期変動について2023

    • 著者名/発表者名
      松林修, 濱元栄起
    • 学会等名
      日本地熱学会令和5年学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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