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2022 年度 実施状況報告書

スピロ芳香族環拡張ポルフィリノイド創製への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K05081
研究機関島根大学

研究代表者

鈴木 優章  島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 講師 (90506891)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードポルフィリノイド / 環拡張ポルフィリン / ヘキサフィリン / ポルホジメテン / スピロ共役 / 芳香族性
研究実績の概要

広大なπ平面を追求することが優れた芳香族分子の開発に相当するというこれまでの側面を改め、本研究では直交して連なったπ平面に沿ってスルースペース相互作用によって共役させることでできる三次元芳香族分子の創製を目的とする。様々な利用法において弊害となる溶解性の低下は、二次元的に大きな構造によって分子同士のスタッキングが誘発されることで起こり、嵩高い置換基を導入して凝集を妨げる方法も分子の複雑化につながるが、π共役系に三次元性を持たせるための新奇なモチーフによって、このような問題点を同時に解決できると考えられた。中でもスピロ芳香族性は、sp3炭素で連結された複数のπ電子系が一定条件を達成することで発現するとされる。
研究計画にある環拡張ポルフィリン類似骨格にスピロ共役を組み込んだ目的分子に先立ち、ポルフィリン類似骨格すなわち環状テトラピロールにシクロアルキル基をスピロ縮合させた分子の合成を試みた。シクロペンチル基・シクロへプチル基あるいはこれらをひとつずつ5,15-位に導入することで、得られる骨格はポルホジメテンとなる。これらの生成物はどうじに得られ、化学的・物理的性質の差がほとんどないと予想されるが、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返すことで分離することができた。一方、紫外可視吸収スペクトルやX線結晶構造解析は、その母骨格に由来する部分には著しい差が見出されなかった。これらの結果は学術論文に報告され採録が決定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標としている系の構築に向けて基礎的な部分を通過し、次段階の検討に入っている。

今後の研究の推進方策

タイトル研究の達成を目指し、現在までに得られた知見をもとに分子設計や合成戦略をブラッシュアップする。

次年度使用額が生じた理由

社会情勢が完全に復旧された場合を想定して予算計画を立てたが、段階的に進行したため、物品購入等を先送りにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Various Halogen-terminated Tripyrrin Derivatives and Comparison of their Solution and Solid States2023

    • 著者名/発表者名
      M. Suzuki, M. Imafuku
    • 雑誌名

      Chem. Lett.

      巻: 52 ページ: 22-24

    • DOI

      10.1246/cl.220448

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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